見出し画像

リタイヤ後の「居場所の構築術」セカンドライフ_ロジラテ思考 #P04

1.リタイヤ後、最も必要なものとは「自分の居場所」です。


リタイヤして、毎日何もすることがなく、今更「趣味を持て」と言われても、付け焼き刃の趣味なんて長続きする筈もありません。

ではリタイヤ後、遣り甲斐をもって毎日楽しく生きていくにはどうしたらよいか?

それはひとつしかありません。「自分の居場所」を持つことです。
サラリーマンのときは、会社が居場所を与えてくれていたので、そんなこと考えもしなかったと思います。

でもこれからは、居場所は自分で創らなければならないことをしっかりと自覚する必要があります。

では「自分の居場所」とは何か?

それは、自分の「強み」を活かして誰かの役に立つことです。

こういうことを言うと、
 
「そんな他人の役に立つ価値なんて、俺は持っていないよ」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。

でも、実はそうでもないんですよ。
自分の身の回りをじっくり観察すれば意外にあるものです。
皆さんは、そこに目を向けていないだけなんです。

最近あった面白い例をご紹介したいと思います。
 

2.ある理髪店の理容師の話


私は髪の手入れは、美容院ではなく理髪店に行きます。

それには二つ理由があります。
 
一つ目は、私は髪型をいちいち説明するのが嫌なんです。
「今日はどうしましょうか?」なんて聞かれた瞬間、「あぁ面倒臭! 早く帰りたい」となりますが、理髪店では「いつも通りで」と言えばそれで完了。これがいい。
 
二つ目は、理容師は実に沢山の情報を持っています。
店にいるだけで様々な人達がやってきて、色んな話をするわけですから、旬な情報を沢山もっていても不思議はありません。

人は髪を手入れされていると不思議な感覚に陥ります。
カットされている間は、心の壁を取り去られ、完全無防備状態になって相当ディープな内容を話してしまいます。

ですから隣のお客の話を聞いているだけで、居ながらにしてマーケティングが出来てしまう凄い場所なのです。
 
もし貴方が営業マンで、お客様を訪問して「何か当社にご要望などあれば、お聞かせ下さい」と言っても、余程親しい間柄でもない限り、当たり障りのない話しかしてくれません。

3.理容師にマーケットリサーチ!

ある日、私の担当してくれている理容師に、こんなこと聞いてみました。
 
「君とお客さんが話してる会話ってさ、そのお客さんの業界人同士だったら絶対に話さないようなことを、いとも簡単に入手していること分かっている?」

「もちろん仕事上、お客さんの秘密を守るのは義務だけど、それって凄い価値ある情報だと考えた事ある?」
 
その理容師は、私の言葉に何を言われているのかわからないという表情で、

「そんな情報は、皆さんが知ってることだと思っていました。飯田さんが、私の話にそこまで興味をもって頂けてたなんて驚きました。」

と言いました。
 
コンプライアンス上の問題はさておき、中には非常に価値ある情報があることは間違いありません。
 
ここで申し上げたいのは、常日頃から自分の足元で起きていることを見ているかが重要だということです。

私を担当してくれている理容師は、いとも簡単にお客様の話を引き出していますが、ほかの理容師はそこまで深い話をしていません。

当人にとっては当たり前のことでも、紛れもなく彼は話しを聴く名人です。つまり、そこが彼の強みです。

私から見れば、カットの技術は当然ですが、彼の居場所はお客の話を聴くです。

視点を変えると、ひょっとしたらそこからイノベーションが生まれる可能性だってあるはずです。

皆さんも一度自分を顧みて、人から「凄いなぁ」とか「そんなことよくできるよねぇ」と言われたことを思い出してみてください。

必ず一つや二つあるはずです。そこから自分の居場所を創り始めてもいいのではないでしょうか?
 
それにしても。。。床に広がっている自分の髪の毛。ダークグレーから段々ホワイトグレーになっていってます。これも歳を重ねる醍醐味でしょうか (笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?