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ロジラテ思考_イノベ塾「モノの所有から体験にお金を払う時代」

最近、歳を重ねて物欲がなくなったなぁ・・・なんて思っていたら、どうやら歳のせいでもないようです。

私より若い人の方がさらに物欲がなくなっているのを見ると、社会全体がモノの所有から、ほかへの欲求に変化しているのではないでしょうか?

そいう視点で社会を見ると、すでにイノベーションが始まっていることが見えてきます。

1.人の欲求は、モノの所有から体験に変化している

ちょっと前までは、好きなアーチストの音楽が聴きたくなったらCDを買いました。今はサブスクの「Apple Music」で好きなアーチストの音楽を聴いています。

そういう自分を観察すると、知らないうちに音楽を楽しむスタイルに大きな変化があることに気づきました。

AppleがAIで私の好みを分析して「My Favourite Music」に落とし込んでくれます。その音楽を聴けば、ほぼ心地よい気分になれます。

つまり、以前はCDを買っていつでも好きなアーチストの音楽を聴けることに満足していたことが、いまでは「My Favourite Music」という体験に満足してお金を支払っています。

知らない間に、所有に対する概念が大きく変わってしまっているのです。

2.メルカリは、顧客の欲求を「所有から体験」に変えたビジネス

創業当初のメルカリは、不要品を簡単に売れる仕組みに焦点を絞ったものだったはずです。それが顧客のライフスタイルに合わせて使われ方が変化していきました。

2019 年 4月 時点 の メルカリ の 利用 者 数 は 2216 万人。 これ は 前年 同月 比 33% 増 という 伸び よう で ある。(中略)

中古 の 洋服 は、 いったん は その 人 の 所有物 と なる が、 当の 本人 は 最初 から 売る つもり なので、「 所有 し て いる」 という 認識 は まったく ない。 これ が「 買っ て いる のに 所有 し て い ない」 という 状態 だ。  (中略)

私 と 同 世代 の 人 たち は、 子ども の 頃 に「 モノ を 大事 に 長く 使う こと が いい こと」 と 教え られ て き た 人 が 多い と 思う が、 今 は それ が 逆転 し て いる。「 モノ を 長く 持つ こと が 非 経済的」 と 考える 人 が 多く なっ て いる の だ

買い物 以外 でも、 たとえば 最新 の 情報 を チェック し たい ので あれ ば、 ググ る のでは なく Twitter で 検索 し て いる。 その ほう が 目当て の 情報、 最新 の 生 の 情報 を 見つけ やすい の だ。(中略)

  重要 なのは、 これから は この「 ググ ら ない 世代」 が 購買力 を 持つ よう に なる という

望月 智之. 2025年、人は「買い物」をしなくなる (p.39). 株式会社クロスメディア・パブリッシング

いま欲しいものはメルカリで探し、必要がなくなったらメルカリで売る。使っている間はレンタル(体験)と考えるビジネスモデルです。

3.これから考えなければいけないマーケット


メルカリやAppleMusicなど、体験を価値として提供するビジネスは、さらに成長していくビジネスモデルになっていくと思います。

まさに今起きているイノベーションです。

ただ「体験の商品化」だけに目を向けていると、判断を誤ることになると思います。なぜなら人間の所有欲は決して無くなることがないからです

では、所有欲と体験を価値とする新しいビジネスモデルとはどんなものでしょうか?

それはモノに対する愛着と、体験を融合した新しいビジネスモデルです。

モノは作り手が思いを込めて作ったものです。そこには苦心した技術やアイデアが沢山盛り込まれています。これを伝えることができれば立派な体験価値です。

そうやって出来たモノに対する愛着、愛情、リスペクトを持つことは、これからSDGsを守って生きていく私達が最も求められることです。

私は、高校生のときに乗っていた1962年製のモンキーのレストアをしていますが、部品のひとつひとつを見ていると、当時の作り手の思いやヒストリーが伝わってきます。それもひとつの体験価値です


そういうモノを大切にする体験を商品価値にするイノベーションが必要だと思いますが、皆さんはいかがお考えでしょうか?











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