企業が陥るマーケティングの罠_マーケティング
ビジネスにおいてマーケティングが重要な仕事です。
特に自社製品の評価や新製品の開発にはマーケットリサーチが重要です。なぜなら、新しい事業を進めるためには何らかのエビデンスがないと進められないからです。
1.企業が陥るマーケティングの罠
一般的には、営業や顧客から上がった声がトリガーとなり、次のような要素を調査することになります。
なぜ、顧客は当社の製品を買わないのか?
この機能を加えたらメリットになるから、買ってくれるんじゃないのか?
このアプリのダウンロード数が伸びないのはなぜか?
価格設定が間違っていないか?
このように、顧客の行動原理を論理的にシミュレーションしますが、現実をみると失敗している事例が多いように思います。
2.なぜマーケットリサーチが外れるのか?
その理由は、企業は顧客は常に論理的に考えて購買していると思い込み、マーケティングしてしまうからです。
確かに、車や家電、マイホームを購入するときは、顧客はじっくり時間をかけて論理的に考えて購入を決定しますが、レストランの選択やライブチケットの購入などは論理でなく直観で購入を決定しています。
この2つの行動の違いを証明したダニエル・カーネマン博士がいます。彼は
前者は直観で購買を決定するシステム1(ファースト)と、
後者を論理で購買を決定するシステム2(スロー)と
と名付けています。
マーケティングは、この2つの購買行動の違いを理解していないと成功は手に入れられません。
※ダニエル・カーネマン博士は、2009年にノーベル経済学賞を受賞しました。
3.マクドナルドのマーケティングの失敗
『行動経済学が最強の学問である 』相良 奈美香著に、興味深い事例がありましたのでご紹介します。
自分に置き換えて考える、たしかにファストフードでメニューを選ぶときは、いかに早く、いかに腹持ちがよく、そこそこ旨いか?を考えて、直観でメニューを選んでいます。
世間ではヘルシーな商品が溢れていますが、ヘルシーな商品を買う時は、論理思考で商品を検討し購買を決定しています。決して直観で買うわけではありません。ここを間違えると、マクドナルドのようになってしまいます。
4.顧客は自分の欲求を「言語化」しない
アンケートで、こんな質問をよくされます。
「当社製品でご不満な点がありましたら、ご指摘ください。」
「お困りな点がございましたら、教えてください。」
「その他、お気づきの点がございましら、教えてください。」
しかし、普段、その商品について考えていることなんてあるはずのない顧客にこんな質問したところで、答えが出てくるわけはありません。つまり「顧客は欲求を言語化しない」です。
以下は、顧客を5つの視点で観察することで「顧客の言語化しない欲求」を見極める方法です。
この5つの視点で得た情報と、アンケートで得た情報を照合すれば、冒頭にお話したシステム1(ファスト)なのかシステム2(スロー)どちらで扱うべきかが分かります。
その上で、マーケット戦略をどうすればよいのか考えれば、成功にもっとも近い戦略を立てらます。
皆さんはいかがお考えでしょうか?
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