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成果があがるロジラテ思考「インナーコミュニケーション」の作り方 #A07

前回の記事で、インナーコミュニケーション活性化のための「ロジラテ思考」についてお話させて頂きました。

「ロジラテ思考」とは、メンバーから上がる情報を「何が」「何故」「何する」に纏めて、簡単に報告させることです。

1.「何が起こったのか?」 
2.「何故起こったのか?」⇒仮説を立てる⇒問題を疑ってみる
             ⇒本質的な問題を抽出=「核となる課題」
3.「何をすればいいのか」⇒戦術を立てる

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●メンバーの報告には、必ず感謝・慰労の言葉を添えること。
●メンバーの報告には、必ず反応すること。(返信する)

この報告を元に、「核となる課題」の設定と「戦術」についてコミュニケーションすることで、目指す姿の達成に大きく近づく思考法です。

「ロジラテ思考」の組織作りは容易ではなかった

では、どうやればそのような組織ができるのかについて、私の体験をお話したいと思います。私がやったことは次の二つです。

1.幹部向けの社内セミナーと、個別のミーティングで、以下をレクチャーした。
 ⇒「ロジラテ思考法」のレクチャー(何が、何故、何する
 ⇒部下の報告、メールには感謝、慰労の言葉を添える
 ⇒部下の報告には必ず返信すること
 ⇒部下の報告で有用なものがあれば、引用し部下に伝えること

2.社内調査の結果(部下が幹部をどう感じているか)を幹部に伝えた
 ⇒上司は、話す度に言っていることが違うと感じている
 ⇒上司は、部下とお互いに理解し合っている思い込んでいる
 ⇒上司の言うことは、分かったフリしておいおいと合わせていけばいい
  と考えている

その結果はどうだったか?。ロジラテ思考を実践してくれた幹部は数人しかいなかったが、この数人の幹部とメンバー達に面白い変化があったのです。

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幹部は、「ロジラテ思考を始めたら、部下の報告の質が上がり、解決すべき課題が明確になったことと、部下の強みが明確になった」との意見がありました。

部下は、「上司が自分の報告をきちんと受け止めてくれた実感と、自分の報告を取り上げてくれたことにモチベーションが上がった」との意見がありました。

「ロジラテ思考」が浸透しない理由

今度は「ロジラテ思考」を実践しなかった幹部に、それとなく「なぜロジラテ思考をやってくれないの?」とヒヤリングしてみることにしてみました。そうすると彼らの言うことに一つの共通点があることに気がつきました。それは、目の前に現れたことは全て抽象化(レッテル貼り)して考えようとする人達でした。

つまり「この問題は、〇〇系の問題だね」とか、「あの人は、〇〇の傾向がある人だ」のように人にレッテルを貼ることが大好きな人達です。そういう人達は一度レッテルを貼ってしまうと、容易に剥がそうとはしません。何故ならレッテルを貼ってしまえば、いちいち問題、課題を深掘りせず、それをベースにスピーディーに意思決定ができるからです。

反面、本質的な問題や課題に焦点を合わさず、レッテルに焦点を合わせて意思決定をしていく傾向になるので、かなり危険なことなんですけどね。

結論「ロジラテ思考」を浸透させる方法

組織の文化、習慣を変えることは一朝一夕にはできません。特に日本企業は社内で培われた流れ(コンテキスト)を重んじる風土があります。外資企業のように、ある日から「当社はこうします!」といってドラスティックにビジネスモデルを変えられるような体質は持ち合わせていません。

ただ、日本企業には一度浸透してしまえば外資企業にはない風土の持続性があります。私の事例は、数人の幹部に浸透し、その部下が共感してモチベーションが上がっていきました。

これが成果に繋がっていけば、さらに共感する人達が増えていき、「ロジラテ思考」が浸透していくと思います。

事実、ある部署で部下の報告から見過ごしていたマーケットを発見し、そこで業績が大幅に上がった実績があります。

ですから急がず焦らず諦めずに、一人、二人が「ロジラテ思考」を実践していけば、必ず企業と社員の成長に繋がると信じています。

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