見出し画像

システムテストダイエットで-10kg

なかなか聞かないダイエット方法だと思う。

私がとあるシステム開発現場にいた時、私の意思とはまったく関係なくダイエットをしてしまった時の話。

新婚で食べすぎて太った

当時、新婚で妻はごはんを作る分量がまだよくわからず、お腹いっぱいにならないのはかわいそうだからたっぷり作ってくれていた。

私はせっかく作ってくれたごはんだから残すわけないいかない、というわけで食べまくっていたら、ブクブクと太ってしまった。

これが結婚の幸せ太りのメカニズムかー。痩せなければ、、、なんて思いつつ、そんな生活環境なのでまったく体重が落ちなかった。

しかし、転機が訪れる。

当時、とある大手SIreの官公庁系のシステム開発に携わっていた。

今でいうところのブラックSES案件。忙しくて食べる時間がなくて痩せた?

否。ストレスで食べて更に太った。10kgぐらい太って顔がパンパンになってきて、いよいよまずいと思い始めた時のことだった。

担当していた機能のシステム開発工程は、結合テストという各機能間をつなぎ合わせて問題なく動くかというテストを完了し、リリースする本番相当の機器でシステムの試験を行うシステムテストという段階に入った。

私は大手SIreの担当者に聞く。システムテスト環境はどこにあるんですか?

この辺、と教えられたのは交通の便の悪い簡素な住宅街の一角。

ここへはどうやって??

その大手SIreの開発拠点ビルからシャトルバスが出ているよ、とのこと。

もはや嫌な予感しかしない。

テスト資材を共有サーバに格納し、マイクロバスに乗り込んでいざ出陣。

バスは繁華街を抜けて走る走る。景色はどんどん寂れていく。

データセンターに到着

40分ほど走るとシステムテスト環境が設置しているデータセンターに到着。バスを降りて愕然とした。周囲は畑でポツポツと住宅があるが食事処はない。

唯一、コンビニはあったので、これはしばらくコンビニ弁当生活だと覚悟し、データセンターに入館する手続きをした。

そこで更に愕然とした。なんと入館と退館に必要なセキュリティカードを貸し出してもらえないとのこと。

セキュリティカードを持たずにデータセンターに入るということはどういうことか。

それはつまり、監獄に入るようなもの。センターの出入り口はもちろん、内部も要所要所にセキリュティカード必要な扉がたくさんある。

案内係の人にどうやって内部を移動するの?と確認したら、誰かがドア開けた時を見計らって一緒にドア通り抜けて、と言い残すとセンターの案内係の人は去っていった。

とりあえず、システムテストを開始する。作業していたが、まったく人の気配がいない空間でラックマウントサーバ群のけたたましい騒音だけが聞こえる。さすがにお昼頃なれば誰かくるよね? 一抹の不安を覚えつつシステムテストを進めた。

お昼のチャイムがなる。よしこれで人が移動するだろうから、一緒に付いて外に出よう。そう思ってあたりを見回すも誰もこない。

セキュリティ強化エリアの中から外へ出るにはセキュリティカードが必要なのでこのままだとお昼食べれない。どうすんだ、これ。

・・・結局初日はお昼食べ損ない、空腹のまま帰りのシャトルバスに乗って戻った。繁華街まで戻ってくると窓の外には美味しそうな食事処の看板があちこちに。まるで娑婆に出てきた感じというのはこんな感じなのだろうか。いつもより豪華な一人飯食べて帰った記憶がある。

それにしても、この生活が一ヶ月続くのか・・・どんよりした気持ちだった。

結局どうなったのか

タイトルでネタバレしているけど、システムテスト期間は約一ヶ月。お昼を簡単に食べに行ける環境じゃないのでもう諦めて一日2食にした。昼抜き。

最初の一週間はお昼のチャイムが虚しく響き渡る中空腹を耐えしのいで仕事をしていた。ただ、二週間目には胃袋が縮んだのか、空腹にも慣れてきて、半月経過した頃はすっかり昼抜きの生活に慣れていた。

人間の環境適応能力は凄いと思った。結果はこう。

・体重:-10kg
・システムテスト結果:障害はすべて改修して完了

そしてシステムテスト完了から一ヶ月後、無事にその開発プロジェクトを卒業した。

仕事はうまくいったし、おまけにダイエットまでできてしまうという棚ぼた案件だった。

与えられた環境に悲観せず、それを受け入れて前向きに考えることで、状況は好転するかもしれない。

そんな話。ちなみにもう二度とごめんなのであれから体型はほぼ維持している。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?