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新卒で教員になることのリスク(転職体験記)




こんにちは!
ばっつもさっちもです。

なかなか教員採用試験に受からず、常勤講師を3年、非常勤講師を一年しています。
現在は英語科教員として非常勤講師をしながら、ライター活動もしています。

30歳間際になって、このまま一生教員で働くのか? と自問自答した時に、転職をしてみよう! と思い立ったので、その軌跡を綴っていこうと思います。



1.結論


新卒で常勤/非常勤講師になるのはリスクが高い!

理由はおいおい説明していこうと思います。


2.転職活動の経緯


理由1:教員採用試験に受からなかった


転職活動に思い切ろうと思ったのは、色々と理由があるのですが、まず第一に「教員採用試験」に受からなかったこと!!!  合計5回の受験をしていますが、5回とも不合格。

筆記試験に合格して、最終面接まで行ったのは3回ですが、3回ともダメでした。どの県や地方公共団体にも、おそらく最終試験は「模擬授業」と「対面面接」があるのですが、いい線まで行ったのですがなかなか合格をもらえず……。

県や地方公共団体が求める教員像に自分は合ってないのか……そもそも教員という職業に不適合なのか……、ともかく合格をもらえませんでした。


理由2:メンタルがもたない

毎年、10月あたりで合否結果をもらうのですが、高校では同時に面接指導が始まります。面接に落ちた自分が生徒を指導できるのか……という葛藤が生まれるんですね。これは、かなりきつかったです。

生徒を合格に繋げるため、自信を持ってあれこれと面接指導をしている最中に、どす黒いものが胸のなかに留まります。果たして生徒に教える資格があるのかという葛藤。面接に落ちた私自身に、教えられるほどの能力があるのか。そういった疑問が心の片隅に居続けます。

それからインターネットの面接動画を観たり、他の先生の指導を盗み見しに行ったり、もう見たくないし聞きたくもない「面接」と向き合い続けないといけないのです。

まるでルドヴィコ療法です!!
観たくも聞きたくもない面接をずっと突きつけられるのです!

大学の合格発表日になって、生徒たちが合格を勝ち取った時は喜びにあふれます!! あの瞬間は本当に嬉しいですね。でも、帰り道には心のぷすりとナイフで突かれているような苦しみがやってきます。「俺も合格したかったなあ」という虚しさですね。ただ一点、不合格だった生徒に寄り添うことができるのは落ちていいことでした! やはり落ちた時の絶望感はなんとなくですが分かる気がするので、色々な言葉を投げかけられます。そういう意味では、教員に挫折は必須ですね!

あと、職員室の先生方は講師の合否に敏感なので、報告に行かないといけません。落ちたのは自分の能力不足なので、校長や管理職、学年主任、同僚に結果を伝えにいきます。

当然の如く、年々、空気が重たくなっていきます。 3回も落ちてますから! 先生方もなんと言っていいか分からずじまいなのも伝わってきて、ただただ辛いです。「自分の努力不足で……」ということにもそろそろ辛くなってきます。勉強して、練習して、アドバイスまでもらって万全の状態で受けていますから!

まるで、犯していない罪を、自ら認めるような感覚でした。笑


理由3: 教員採用試験に疑問を感じた

不合格だったのは単に能力不足なのですが、人間とはおもしろいもので、他人に責任を押し付けたくなりますよね。以下、私の責任転嫁だと思ってください。

・評価のばらつき

「模擬授業の内容」は2連続でほとんど同じだったんです。ぬかった私は、ある方法で「B評価」をもらっていたので、全く同じ模擬授業をしたのです。

すると「C-評価」でした。つまり4回目より5回目の評価の方が低かったのです!

つまり、評価は面接官との相性、主観によるのかなと思ってしまいました。


・曖昧な質問

5回目の面接官には、「どう思いますか?」という質問を何度かされました。

例えば、
「最近は、学校の授業よりも塾を優先したいという生徒がいますが、どう思いますか?」
「講師で3年で働いていますが、どうですか?」

まあ柔軟性と迅速な対応力を求めている質問なんでしょうけれど、実に曖昧。

何を意図しているのかが分からず、非常に抽象的です。個人的に曖昧な質問は、「関係性が構築されている」、「雑談に繋げる時間的な余裕がある」の場合にするものだと思っているので、面接にはそぐわないような気がします。

ただ、面接での質問には明確な目的がありますよね。受験者の何を聞きたいのか。曖昧な質問には、答えは存在しません。内容は何を答えてもいいのです。

ということは、やはり「受験者の臨機応変さ」を聞いているわけです。

それなら、「ある場面を想像してください。放課後、ある生徒が職員室にやってきて、学校に出された宿題よりも、塾の勉強をしたいから、宿題をやりたくないと言っています。あなたならどう対応しますか?」という質問の方が適切な気がします。

実際、「どう思いますか?」と聞かれた時に、「それはどのような意図の質問ですか?」と聞き返してしまったんですよね……。ちょっと空気がピリっとしました。大やらかしです……。

理由4.講師を大切にしてくれない


講師って使い捨てのイメージがありますが、制度的には本当に「使い捨て」です。一年間だけの期限付き、雇用保険無しなので受かるまでやめにくい、勉強という名目でたくさんの仕事がくる、などと不利な場面が多いです。

もちろん、常勤講師はお金はしっかりもらっているので、そんなことを言うと怒られそうですが……笑。まあ労働時間には見合っていませんが……。

でも生徒と接するのは本当に楽しかったです。授業だけが仕事なら……最高の職業でしょう!!!

で、教員採用試験には、おそらく枠があります。「新卒の枠」、「男女比の枠」、「講師枠」など色々ありそうです。これは学校全体を健全に運営するには仕方ないことですね! 多感な生徒により良い環境を与えるならば、色々な先生がいた方が多様性があって良いです。

ただ、もうちょっと講師を優遇してあげてもいいんじゃない? と思ったりします。

実務経験を積んで、まだ教諭になろうとしているんですよ! 経験も豊富だし、意欲もあります。一次試験に合格したのだから、学力もあります! でも、蓋を開ければ新卒の割合が極端に多い……なんてことがあります。ピンチヒッターとして、一生講師でいろよと言われている気分ですね。

まあ一応、講師を何年かやっていたら一次試験の「一般教養」が免除になったり……というメリットもありますが! そこは努力でなんでもなります。


という理由から、一般企業に転職してもっとキャリアを広げていこう! という気になりました。

3.転職でお世話になった転職エージェント


本当かどうか知りませんが、転職の際に「エージェントは3人くらいつけるのが普通」と聞いたので、間に受けて3人にお世話になりました。以下、率直な感想です。

①.キャリアスタート

初回はzoom 面談。その際、LINE登録をして、主にLINEの電話でのやり取りでした。文字ではなく、手っ取り早く話したい人におすすめです。「ライター」をしたいと言ったが、キャリアアップに繋がらないため、そしてAIに取られるため、将来を考えインフラエンジニアを提案されました。

自分で求人募集を探すことはなく、エージェントが2社、提案してくれたため、その2つを選考。やりたい職種に関係なく、自分に合いそうなところを提案してくれるので、求人を探すのがめんどくさい人におすすめです。

電話にて、面接練習があるため勉強になりました。特に志望動機を分かりやすく提案してくれるので、その通りに面接に臨むと受かった……みたいな感じです。会社リサーチがめんどうな人にもおすすめです。

1社に内定をいただきましたが、①入社が半年後であるということ、②通勤距離が90分範囲で転勤有りということ、この2つと、個人的にIT業界は合わないな……と思ったため辞退しました。①と②は面接のなかで初めて知った情報だったので、少し違和感を感じました。

特に、適性検査を受ける際に、エージェントさんが内緒で適性検査の問題を横流ししてきたので、ここにも違和感を感じました。率直にありがたいんだけど………エージェントさんの利益目的がチラッと見えたような気がして、少しモヤモヤしました。

辞退を告げると、内定をいただいた会社がベストな選択という話をされ、15分ぐらいの会社に関する動画を何故か一緒に見ました……笑。大変申し訳ないことは分かっているのですが、ほかの求人も探してくれないか……と言うと探してくれなかったので、メッセージを添え関係を絶ちました。

でも、電話面談後には「話した内容の要点」を送ってくれたり、「結婚を見据えたキャリアプラン」、「職種によるメリット・デメリット」を分かりやすく提示してくれたので、参考になるところも多々ありました!

28歳にして教員から未経験業種に進むことはそもそも難しいので、色々と苦肉の策だったのかも!!! ちなみに普通に適性検査を受けたら落ちました。笑


②.ファンオブライフ

https://www.funoflife.co.jp

領域特化型の転職サイトです。教員という肩書きがどの職につながるのか知りたかったため登録しました。

こちらもzoomで面談後、LINEにてやり取りを行います。基本は文字で連絡を取るので、電話がめんどうな人におすすめです。常に懇切丁寧な対応だったので好印象でした。

ここは教育系の求人のみを扱っているので、最初の面談時に早速、いくつか応募してもらいました。面談終了後には、条件に合った求人にどんどん応募してくれるので、こちらも探す必要がなく楽でした。

教員をやっていたため教育系に進むのも悪くないなと思い、面接を受けました。大手塾などは模擬授業があるので、久々に緊張を味わいました。

基本的には「私立学校」か「塾」です。教員という経験を活かすには、この2つしかありません。私立学校は正直、県立の常勤講師より給料が下がります……。そしてたいていの塾は勤務時間が14:00-22:00です。正社員は魅力的ですが、どうしたものか……と悩み始めます。

そして面接を受けていくにつれ、このまま教員で良いのか? という疑問が募ってきました。30歳になると未経験業種には受からないと聞いていなので、28歳にしてチャレンジをした方が良いのではないか?……と思い始めました。

気付くの遅いですよね……。本当にすいません。本来は転職前に自己分析をして、職種を絞っていくのが普通なのですが、エージェントさんが色々と考えてくれるだろうという甘い考えで臨んでしまいました。

結果的に全てを辞退しました。


③.リクルートエージェント

大手リクルートの転職サイトです。

ここは上に挙げた2社と違って、zoom面談もLINE交換もありません。連絡はメールと電話のみで、常に一定の距離が保たれています。あんまり密な連絡を取りたくない人にはおすすめです。転職希望者もあくまでお客さんといった印象があります。

大手なので、転職専用のアプリを導入しています。他の2社と違うところが、応募は全て自分で行うところ! エージェントのおすすめ求人は毎日追加されますが、応募するかしないかは全て自分の判断です。

応募をして書類通過されると、スケジュール調整や、面接練習を行ってくれます。模擬面接といった形式なので、よりリアルな練習をすることができます。おそらく面接のプロみたいな人がしてくれるので、課題点を軽快に指摘してくれます。

リクルートで応募した求人で、ぜひ入社したい会社を2社見つけ、どちらも二次面接まで行ったのですが、経験者を優先するということで落ちました……。悔しい……。

経験って大切なんですね。

適度な距離を保って転職をしたい人にはおすすめです!


4.転職活動を通じて思ったこと


・教員は転職に向いていない

まず思ったことが、タイトル通り「教員は転職に向いていない」ことです。

教員から転職する場合、経験はゼロだとみなされます。

教員は授業、生徒指導、生徒マネジメント、進路相談、受験指導、学校行事の企画・運営、生徒募集のためのパンフレット作成、研修の企画などなど、その業務は数えきれないほどありますが、キャリアには含まれません。

基本的には、各企業が募集に載せている必須条件のほぼ全てに当てはまらないことになります。私立高校や塾は別ですが、ほぼ全ての業種では未経験として扱われます。

これは、えらいこっちゃ……です!

教師は売上のために仕事をしているわけではないので、そもそも一般企業の掲げる目的とは少しかけ離れています。生徒の満足度などよりも、人格形成のために厳しいことを言ったりする……こともあるので。

一般企業は商業的な側面が強いので、顧客の成長よりも、まずは満足度でしょう。県立高校と塾のどちらで働いたこともありますが、塾で怒ったことなど一度もありません……笑。

ということで、教師の経験は一般企業では通用しないので、教員は転職に向いていません。

・転職で重要なのはキャリア

転職ではより良い待遇、キャリア経験に結び付けたい……という意欲がある人が多いと思います。

そこで重要なことがやはりキャリアです。

どの分野でどの業務に携わってきた……という経験が大切なのです。

例えば
・何かしらの営業経験
・人物折衝経験
・調理経験
・接客経験
・デジタルマーケティングに関する経験などなど

教員はこういった経験に当てはまらないので、強制的に「未経験OK」の求人に応募するしかないですよね。

そうすると、年収はガクッと下がります。基本的に150万以上は下がるかなと思います。

私は英語科だったので「英語に関する職種」に就くことも選択肢にあったことが幸いでした。英語は近年需要が高まってきているらしいので、そこそこに年収を下げなくても求人はありました。ただ、英語に関する職種でも、営業経験の有無を問われることが多いです。

あと、英語系はエージェント経由だとあまりなかったイメージです。エンゲージやdoda、リクナビネクストなどの自分で探す場合は意外と見かけました。


・未経験OKでも経験者に負ける

未経験OKと言っても、やはり経験者には負けます!!!

どんなに面接で意欲を伝えても、負けます!!!

転職エージェントさんに2社猛プッシュしてもらいましたが、経験者に負けました……。まあ普通に考えたら合理的ですよね。即戦力になる人材を取ります。

なので、教員は転職の際に、よわっちいです。

地球人として無双していたヤムチャが、いざサイヤ人のグループに入ると、最弱になる、そんなイメージです。

まあ私は面接が上手ではないので、個人の力不足もあると思いますが……。

5.結論:新卒で教員はリスクが高い


この転職時代、新卒で教員をやるのはリスクが高いことが分かりました。

もちろん、教員一筋で人生を全うしたいという人は、新卒で教育業界に飛び込むことにおおいに賛成ですが、いつか一般企業でも働いてみたいなあ……と思う人は要注意です。

上で書いてきたように、キャリア経験が積めないからです。

一度教員の道に入ると、なかなか抜け出せません。

実際、「新卒カード」って強いんですよね。

基本的に全員が未経験ですから、どの職種にも就けます。アパレル、不動産、IT、コンサル、webマーケティング、事務など、どの職種にも応募できる権利があります。

何者にもなれるわけです。

この「新卒カード」を教員に使ってしまうと、ぐうんと世界が狭まります。キャリア経験ゼロの人材が生まれてしまうからです。そうであれば、次の転職に活かせそうなキャリアを積んでいくことも大事かもしれません。


6.一般企業から教員はOK


昨今、教員不足が深刻化しているので、教員免許さえあれば、講師として教員になることは簡単かと思います。特に家庭科や国語は常に足りていない気がするので……。

また、厳しい道ですが、働きながら教員採用試験を受けて、受かったら会社を退職するという道もありかなと思います。講師という立場は辛いので、正規職員として合格したら教師になるという選択も大丈夫でしょう。

こんなことを書いてしまえば、「教育一本」を志にしている人の反感を買うかもしれませんが、「多くのことを経験した先生」は魅力的です。社会の実態を知っていて、生徒により柔軟なアドバイスをすることもできますし、雑談で色々な話ができるので、授業も面白くなります。

ただ、教育一本の先生も必要です。近年は教師になるハードルが下がって教育の質が低下している……という言葉も聞くので、やはり教育に特化した人も貴重です。学校には色々な教員がいるといいですよね。

個々が与える影響が違うと、より生徒の考えや価値観が広がります。教員の多様性も重要でしょう。


7.おわりに

転職活動をしてみて個人的に思ったことを綴ってみました!

最近、ようやくライターの内定をいただいたので、文字を仕事に頑張っていきます! もちろん小説も書いています!!

小説に関してはよかったらこちらをぜひ!


See You!!!



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