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12シトライアル第三章 疾風怒濤の11時間

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僕の自己満足作品、第三章の詰め合わせです。 メインストーリー:林間学校
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2023年7月の記事一覧

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part15

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part15

第六十七話 オムライスと秘密の恋バナ
 とりあえずいくらなんでも、この体勢はおかしいだろ!流石にダメだ、真凜の顔が俺の肩に乗るくらいには密着してるし…背中にも…いかんいかん!しかし真凜は一向に離れようとしない。何だ、この執念は…まあでも今は料理に集中しなきゃだな!
「徹くん、とりあえず両端を掴んだらそのまま右手は固定して…それで左手でフライパンを少しずつ左側に回していきましょ。」
そして俺は真凜に

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part14

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part14

第六十六話 喫茶店の調理実習授業
 その後二日間学校に通い、同じ担当なのにどこかよそよそしい田辺さんや、なぜかぎこちない金本を見て、寧ろ俺が動揺したりしたわけだが、ようやく迎えた土曜日…といってもバイトだが…

「あっ!おはようござ…じゃなくて、おはよう!徹くん!!」
朝一番早く出勤できたと思っていたら、俺の友人の中でも一、二を争う元気っ子の真凜が既にいて、元気に挨拶をかましてきた。しかし、コイツ

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part13

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part13

第六十五話 思ってたんと違う
 下北を一番に歌わせたことで、いらんハードルが上がってしまった。俺で路線変更しよう。ということで俺は、お気に入りのアーティストの曲を選んだ。You○ube上でも1億回再生を悠に超えている大ヒット曲だ。ゆったりした入りに思えた直後、一気に盛り上がるイントロに変わった。20秒程のイントロを終え、歌い出した。この曲は全体的にテンポが速く、噛まないようについていくだけでも難し

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part12

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part12

第六十四話 カラオケとオムライス
 「で、寄り道するったってどこ行くんだ?」
「徹先輩、時間どれくらい大丈夫です?」
「俺は正直際限なく大丈夫ではあるけど…青少年健全育成条例に引っかからない範囲なら。」
「真面目すぎる…!尊敬です!」
果たして、これは何の会話なんだろうか…

閑話休題。
「そういう下北こそ時間とかは大丈夫なのか?」
「私も10時に家にいればいいので!」
「じゃあ行きたいとことかや

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part11

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part11

第六十三話 ドリンクバー尋問
 「さて、とーるたちには送ってくってことにしておいたけど、玲ちゃん、ちょっと一緒に寄り道しようよ!」
「…寄り道…ですか?」
「玲ちゃんって普段ファミレスとか行く?」
「いえ、大体いつもうちのメイドがご飯用意してくれてますし、そうじゃないときも大抵はパパになんかよくわからない高級なレストランに連れて行かれるのであまり…」
(マジモンの金持ちなんだ、この子の家…)

 

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part10

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part10

第六十二話 一か八かのフルカウンター
 「そろそろ決めるよ!」
「来い!」
由香里は再びバックサーブの体勢に入った。しかし、放たれたボールは幸運なことにネットにかかってミスとなった。
「20-19。ここで決める!」
「粘るよ!」

そして俺も再びバズーカサーブの体勢に入った。そして…ガチョーン!エッジに当たった。デジャブ!!しかし今度は何とか前に飛んでいき、浮いてはいるが由香里側のフォアに入った。

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part9

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part9

第六十一話 時代に逆行する1試合
 「おーい、もうその試合でラストだからなー。」
部長でもなんでもない林が試合中に話しかけてきたが、そんなことは知っているので、俺も由香里も無視を貫いた。
「お前ら後輩たちもそうだけど俺に冷たくね?!」
「………」
「俺泣いていいかな?!」

 閑話休題。俺たちの試合はまだまだ続く。ここからはデュース戦。サーブが一本交代になり、先に相手と2点差をつけた方の勝ちだ。

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part8

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part8

第六十話 卓球部オープンチャレンジマッチ
 翌日の放課後、再び俺たちキャンプファイヤー係は招集を受けた。今日はその中の担当ごとに準備のスケジュールを立てることになったのだが、
「岸、花火担当だったよな?」
「はい、そうですけど…」
「悪いが今日、田辺は休みなようでな…岸、やることないし、部活行くなり帰るなりしていいぞ?」
相も変わらず適当な先生だよ、この人は。でも田辺さん、一体どうしたのだろうか。

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12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part7

12シトライアル第三章       疾風怒濤の11時間part7

第五十九話 氷嚢と花火係
 そんなこんなで俺は保健室へと走ったのだが、
「先生!氷嚢ください!」
「いいけど、どうしたの?元気そうじゃない?」
「俺じゃなくて、友達が…」
なんて説明したらいいんだろう…揶揄われた羞恥心のあまり煙を出す勢いで発熱しているなんて言えないし…まあ別に嘘ついてもバレんだろ。
「スネを椅子の角にぶつけたみたいで…」
これ、めっちゃ痛いんだよなぁ。
「そういうことね。これ、持

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