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もう怖くない!尿路結石(vol.2)

今回のテーマは、「尿路結石の正体をしろう!」ということで、結石の種類や成分などについて勉強しましょう🤔

まず、尿路結石は大きく2つに分けられ、結石のできる部位によって上部尿路結石(95%)と下部尿路結石(5%以下)となります。
結石の疝痛発作は「この世のものとは思えない痛み」と表現されるほどの激痛で、疼痛が生じる原因としては①結石の移動(尿管の攣縮)②結石が詰まることによって尿の流れが悪くなる(腎被膜の伸展)などがあります。

(山田幸宏編著:看護のための病態ハンドブック改訂版より)

しかし、腎臓の中にある石の場合、自覚症状がないことも多く、気づいたら大きくなっているということも!
また、膀胱結石の場合、腎臓から落ちてきたものと膀胱内でできるものがあり、後者の場合は前立腺肥大や尿道狭窄、神経因性膀胱などの疾患が原因となっていることもあり、きちんとした評価が必要となります(※比較的若い男性で膀胱結石がある場合は、このような排尿障害が隠れていることが多いです)。

では、結石成分にはどんなものがあるのでしょうか?

代表的なものを多い順にまとめると・・・
⑴ カルシウム結石(シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウムなど):80%〜90%
⑵ リン酸マグネシウムアンモニウム結石(感染結石):5%程度
⑶ 尿酸結石:5%程度
⑷ シスチン結石:1%程度
となります。

このような結石ができる理由には、尿停滞や尿濃縮、代謝、薬、感染、遺伝因子や環境因子があり、コレらの相互作用で形成されるのですが、⑷ はほとんどが遺伝因子によってできるのに対して、1番多い⑴はまだ解明されていない部分があるものの、動物性食品やシュウ酸のとりすぎなど食事の影響が大きいことが分かっています。

ここで、もし自分で結石をキャッチできた場合に、一目で成分の推測ができる方法を紹介します^^

見た目=色、形、硬さ

⑴ 黒褐色か黄褐色、金平糖状かギザギザ
⑵ 茶褐色や白色、柔らかい
⑶ 黄褐色や煉瓦色、平らで滑らか
⑷ アメ色や淡い黄色、硬い

実際には、気づかぬうちに流れてしまったりしてわからないことが多いのですが、知っておくと、治療につなげていけるので便利です😃

■■おまけ■■
結石の前触れに注意しよう🙆‍♀️‼︎

尿路の広い部分にとどまっている時は、痛みがないこともあり「サイレント・ストーン」と呼ばれます。
しかし・・・
☑︎トイレの回数が多くなった、残尿感がある、尿の出が悪いなどの尿トラブルが出現
☑︎たまに背中、脇、下腹が痛む
☑︎排尿時の違和感や血尿がある
などの症状があれば、もしかしたら結石のサインかもしれません💦
尿路結石があると困ることといえば、激痛と腎機能低下です!また、結石がきっかけで他の病気が見つかることもあります。
何か思い当たるような症状があれば、早めに泌尿器科を受診しましょう^^

小さい結石だから大丈夫!と思って放置していると、徐々に大きくなったり、泌尿器科を受診していれば見つかった病気を見過ごしてしまうこともあり、また、薬で治療できることもあるので、1回は泌尿器科受診をお勧めします!


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