アルバイトが教えてくれた人生の歩み方
今の自分に至るまでウェイターやビルの建設、中華屋で鍋を振ったり運送業など様々な職種を経験してきました。
これらがなければ確実に今の自分は無かったですし、アルバイト経験から得たものは音楽家の仕事には一見全く関係がないように見えますが知らず知らずのうちに役に立っている部分がたくさんあります。
今日はそんなことについて掘り下げて書いてみます。
もくじ
1、人との出会い
2、様々なスキルの習得
3、音楽と離れること
1、人との出会い
これが今回一番書きたかったことです。
アルバイトの業種が人と関わる仕事、接客業が多かったこともあり人との関わりというものからものすごく得るものが大きかったです。
菩薩のような穏やかな方からものすごい感じの悪い人、老若男女ほんとうに色々な人出会いました。
その中でもいまだに僕のメモ帳に書き残してある話をしてくれた方がいました。それは配送業をしている最中に出会った運送屋をよく使う常連のスナックのママさんのお話でした。
いつもアルバイトお疲れ様!と暖かい食べ物や飲み物、お小遣いをくださったりする本当に暖かい方でした。
また20代の若者が多く働いていたこともありそれぞれにいつも「何を目指してアルバイトをしているの?」と配送の最中少しだけできる時間でお話をしていました。
僕は素直に「音楽家」ですと答え、大概がロックやポップスと勘違いされるのでどっちかといえばクラシックの方で大きいトランペットのようなチューバという楽器を専門にしています。という話になります。
それは食べていくのが大変な仕事なの?という話から始まり色々話していきます。
そう、大変なのねと一言言った後、突然質問をされました。
「土人の雨乞いって知ってる?」
雨乞いは知ってるけど、土人?
話は続きます。
「彼ら土人が雨乞いをすると必ず雨が降るの、なんでかわかる?必ずよ」
頭の中には魔法陣を描き魔法を使って雨を降らせる原始人のような人たちが思い浮かびます。
「もちろん土人なので特別な力はないわよ」
見透かされたように言われその後色々答えてみますが全て外れ、まったく見当がつきません。
すると答えを教えてくれました。
「土人の雨乞いが必ず雨を降らせるのはね、
・・・雨が降るまで祈り続けるからよ。 」
「どんなに雨が降らなくても、明らかに降りそうにない天候でも、どんな条件でも祈り続けるの。とにかく雨が降るまで。
色んなことをしてみたり、考えて行動して祈ってとにかく雨乞いをするの。するとどうしたっていつか雨は降るじゃない?だから土人の雨乞いは必ず雨を降らすのよ。」
最初なぁんだと思って聞いていましたが、意図に気づきました。
「あなたも今は大変かもしれない、雨が降っていないかもしれない
でもいつか降る、いつかチャンスがくる。
だから土人のようにとにかく続けて頑張りなさい。絶対大丈夫。」
とても胸が熱くなったし下がっていたモチベーションもうなぎ上りになりました。
貴重なお話ありがとうございました!頑張ります!ともらった500円玉を握りしめながら配達を終えメモに書き残しました。
その後大雨ではありませんが、確実に小雨ぐらいは降らせていると思います。
その渦中にいたり頑張っている最中、アルバイトをしている最中の下積みのような時間は気の遠くなるような長い時間に感じ未来への不安や「俺何やってんだろう」なんていう虚しさも襲ってきます。でもあの”土人の雨乞い”の話は確かに今の僕に続くとても貴重な時間でした。
アルバイトをしていなければ確実にあのママさんには会えませんでした。
このような自分がいる音楽業界とは全く違う世界の人たちと出会えたいり交流ができるというのは実はとても貴重です。
奇跡的な、さらに心温まる話はたくさんありますが、大変だったけどそんな素晴らしい人々にも会えたのがアルバイトでした。
2、様々なスキルの習得
様々な職種のアルバイトを行なったおかげで身についたスキルは今の生活や活動に大きく役立っています。
ウェイターの頃に得た配膳スキルや店長に習ったイタリアンの作り方。
中華屋では鍋の振り方や仕込みの方法
ビルの建設業では普段目にする建物がどれだけ多くの人の尽力によって建設されているかが学べましたし、配送業では地図や街中の住所の読み方も学びましたしご自宅や企業に配送するのでその人々の人生の一角に触れる貴重な体験をしました。
音楽家だけをやっていたら確実に体験できない時間でした。
これらの体験は今現在の生活にももちろん役に立っていますし、音楽家として活動をしていく中で人との接し方や交流の仕方を学ぶ上でもとても役に立ちました。
全ての仕事に当てはまると思いますが、決められた時間の中で様々な工程をこなしていくというのは、自分の一挙手一投足がそのまま収入に直結するので
尚一層タイムマネージメントの大事さに気付かされた瞬間でもありました。
3、音楽と離れること
ひたすら音楽に没頭する時間というのもとても大切ですが、僕にとっては息苦しくなることもありました。
そんな際にアルバイト=全く音楽と関係のない空間というのは様々な利点がありました。
まずは強制的に数時間、音楽のことについて考えることしかできないため渇望が始まります。
もともと音楽が大好きで生きているわけですからたった数時間でも離れさせられると飢えるわけです。そこからアイディアが泉のように湧くことが多々ありました。
・次の練習では〇〇してみよう
・こんな企画を立ててみよう
・あの演出はこうだ
・〇〇へ連絡をしなくては
こんな内容がポンポンでてきます。そして急いで帰宅して音楽に向き合いたくなるのです。これは
今現在はアルバイトを一切していないためこの時間を持つことはできていませんが、その代わりに携帯をフライトモードに変え(電波が届かないようにし)散歩やサイクリングにでかけアイディアを湧かせます。
といった具合にそんな音楽と全く関係のない時間が逆に僕の音楽に多大なる影響を及ぼすなど思いもしませんでした。これは完全にアルバイトが気づかせてくれたメリットです。
逆に言えば
・お金をもらいながら
・新しいスキルも身につけられ
・自分の音楽活動へのアイディアも湧く
というメリットがたくさんありました。
まとめ
アルバイト、マイナスなイメージが多いですがたくさんやってきた自分自身を振り返るとマイナスな事よりもプラスになったり音楽業界にだけいたら体験できなかったであろう素晴らしい時間も確かにありました。
僕もまだまだ爆進中ですが、もし今そのアルバイトの最中にいるのであればきっと大丈夫、自分が工夫して真剣に選んだ選択肢が将来的に自分を苦しめる事は絶対にないし必ず振り返った時にメリットばかり感じるようになります。
どんどん色んなことをして、色んな経験を得てこの世界中で唯一無二の存在になってください。僕もさらに新しいことに挑戦し世界に自分だけしかできないことを増やしていこうと思います。
ご読了ありがとうございました。
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