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老化って結局なんなのか

 アンチエイジングについてよく調べているのですが、結局老化ってどういう事?って聞かれるとそれはそれで回答に困るな~っと思い、基礎に戻ることに。老化というより加齢で体にどういう変化が起きるのか。
これは医療に関わる者として知っておかなければと思いつつ、なかなか手をつけられずにおりました。
なんせ若い頃は、今目の前にある現象をどう治療するのかという事ばかり考えておりましたから。
という事で、いつかやろうを今やろうと調べてみたので、以下その学習の記録でございます。

【加齢のメカニズム】

 全身の臓器は加齢によって衰え、老化の典型的な特徴の1つが老化細胞の蓄積である。老化細胞っていうのは増殖することをやめてしまった細胞のことを言い、こうなるとDNAが染色体からむき出しの状態になるのだそう。
全く!イメージが湧かないのでございますが!
こうなると次第に癌化のリスクが高まると言われております。まあ、簡単に言うと細胞の老化はDNAを損傷させるという事でしょうな。
つまり、「老化とはDNAの損傷である」と言えそうですね。
マジでこうだとすると人生100年時代。長生きすればするほど癌になるようで怖いんですけど、細胞老化は癌化リスクを抑制する側面があり、もともとは有益な体の反応であるらしい。増殖する活動を止めてしまっているので、癌になるまいと抵抗している感じでしょうか。ホメオスタシスの一部という解釈でよさそうですね。

【老化細胞は何してるの?】

 老化細胞って科学界ではゾンビ細胞なんて呼ばれています。細胞死として終わってくれればいいのに死を拒んでいるからだそう。なんともかわいそうな細胞です。
上記のように細胞老化が癌化を抑制している説は、ありえるとして。重要なのは、こいつらが何をしているのか。
過去のnoteを読んでいる方は、もうお気づきかと思いますが、やっぱりサイトカインという炎症を引き起こすタンパク質を出しちゃってるんですね~。

いわゆる慢性炎症っていう状態でございまして、多発性硬化症、心臓病、糖尿病、認知症のきっかけになる可能性があると言われているんです。
なかなか細胞死を迎えてくれないのは、まだまだ若い時期に癌にならなくても良いようにと考えた予防策の1つではないかと「拮抗的多面発現説」が説明してくれてます。個人的には、遺伝子ってそんなに空気読んで動いてくれるの?って微妙なところでございますが。

【老化で起きる筋肉の変化】

 筋肉のピークは20~30代で、70~80代で20~40%低下すると言われてます。若いころの筋肉量がものを言うのでしょうけど、そのあとにどれだけ維持できるかの方が大事でしょう。
加齢に伴う変化としては、Type2繊維の変化ですね。これは速筋繊維と言われてまして、対照的なType1繊維の遅筋より、筋収縮速度が大きく、大きな力が出せる反面、持久力がないという特徴を持っています。
Type2繊維にはaとbに分けることができまして、Type2aはType1とType2bの中間的な感じですね。加齢によって、Type2bが選択的に萎縮すると言われております。
歳をとると瞬発力が低下するってのは、こういうことかもしれないですね。結果的に倒れそうになっても足が一歩前に出ず、そのまま倒れる。たまに現場でお会いするんですよ。
筋力は十分あるのになぜか転倒して入院してくる患者さん。転倒との関連を感じる内容でございました。
ちなみにダラダラしてるだけだとType1(遅筋)が萎縮するようです。なので筋肉の持久力がない。
最近、疲れやすいなって思ったら単なる運動不足だったなんてオチかもれないですね。私ら医療の世界では廃用症候群と呼びます。

その他、筋肉量の低下以外に運動ニューロン、神経筋接合部、筋繊維を含む神経筋システム全体が変化します。難しい単語がいっぱいですね(笑)。
簡単に言うと筋肉に繋がっている神経の老化ってところですかね。電線が劣化して指令が届くのが遅かったり、弱かったり不具合が起きるイメージ。

程よい筋トレにはアンチエイジング効果があるので、簡単なものから始めて続けていく後々いいかもです!
健康の基礎は食事・睡眠・運動!
最後まで読んでもらいありがとうございました。

参考文献
松嶋康之.佐伯覚:加齢による身体機能の変化.総合リハ50(6).jun.2022.
「LIFESPAN:老いなき世界」デビッド・A・シンクレア/マシュー・D・ラプラント著 東洋経済新報社

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