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ESD-自分なりに物事を捉え、考える力を育む(岡山市立岡山後楽館高等学校)

この記事では、ベネッセアートサイト直島が学校や団体、企業の様々な目的やテーマに応じて実施した、2023年度の教育プログラムについてお伝えします。

プログラム概要

犬島で展開するアートプロジェクトを通して犬島の歴史的な背景や文化を学び、対話型鑑賞を手法に自分なりの見方で物事を捉え、考える力を育むプログラム。

■開催日時
2023年10月21日(土)10:00~16:00
■参加者
生徒15名+教員2名
■対象(学年)
中学1年生、高校1年生
■問い合わせ日
2023年6月6日(火)
■認知経路
前回利用して良かったから

スケジュール

10:15 犬島精錬所美術館、近代化産業遺産(ガイドツアー)
12:30 昼食
13:15 犬島「家プロジェクト」(ワークシートを使って自由鑑賞)
14:45 犬島 くらしの植物園(ワークシート内容の内容を発表)
16:00 離島

特徴

プログラムの特徴

・解説中心で情報をインプットするパートと、ワークシートを使いながら自由に鑑賞し表現するパートを設け、内容にメリハリをつけた。
・自由鑑賞の前に導入として対話型鑑賞を実施。自分なりの見方で作品を鑑賞する手法に触れてもらい、その後の自由鑑賞に活かしてもらえるようにした。
・最後にラップアップとしてワークシートの内容を発表し合い、自分の考えを言語化したり、他の人の意見から視野を広げる機会へと繋げられるようにした。

参加者の反応(生徒)

■満足度

4.7 / 5 点

・普段見ないアート作品を見れたり、最近コロナとかで行けなかった海を見れたり、船に乗れたりしたからです。他にも、作品にこめられた思いを友達と楽しく考えて話し合えたからとても満足です。
・知り合いとこのような体験を経験することは初めてで、思ったことをたくさん話し合うことができたからです。

■特に良いと思った内容

犬島精錬所美術館
・歴史に興味の無い自分でも興味をひかれたことと、電気と空調が無いのに中に光が通っていたり涼しかったりする建物の構造が特に印象に残っているから。
犬島 「家プロジェクト」
・自分の良いと思った作品をスケッチし、伝えたいメッセージを想像して発表するのがいいなと思いました。普段芸術品に触れる機会がなく、相手のメッセージを考えたりするのも発表するのもすごく苦手なのですが、普段苦手で避けてしまうことをできたのが良かったなと思いました。

・アートを見て、話しあったり、スケッチの時間をとってくれたことです。
・班で自由に現代アートを見るプログラムは自由に作品を見ることが出来てとてもよかったです。
・ガイドさんが丁寧に説明してくださり、犬島の建物について(歴史、どういう時に役立てるものなのか、重さなど)深く知ることが出来たからです。

■改善点

・少し寒かった、階段が多い
・スケッチの時間が短くてあまり描けなかった

■自分なりの視点で物事(作品)を捉え、考えることができたか

4.3 / 5点

・作品を見た後に1人1人発表するとのことだったので、いつも作品を見るとき以上によく見て作品が自分にどう見えているかをよく考えることができたから。
・白色の泡のような作品があったが色々なものに見えて「作者が何を考えてつくったのか?」と考えるのが非常に楽しかった。
・同じ作品でも人によってまったく違っていたから。
・全体でアートを見るのではなく、少人数に分かれて作品を見ることが出来たから、自分で考える時間が長くとれた。

■ワークシート(一部抜粋)

企画担当者からの評価(先生)

■満足度

5 / 5 点

■再利用意向

5 / 5 点

■コメント

・犬島の歴史や美術館などの説明をしていただいたインプットの時間と、生徒が自由に歩いた後、アートに触れて気づいたことを自分の言葉で表現するアウトプットの時間がバランスよくあったことで、生徒の満足度が高かったです。
・ものの見方を変える、価値観を揺さぶられる大変貴重な経験を生徒だけでなく私もすることができました。

まとめ・考察

・集落散策の時間ではのびのびと積極的に鑑賞する様子が見られた。
・前半のインプットと後半のアウトプットの時間のバランスが生徒にも合っており、集中してワークに取り組めていた印象。生徒一人ひとりが積極性や主体性を発揮できていた。
・一方的なガイドだけでなく、自分なりの見方で作品を鑑賞し、考え、言語化する一連のプロセスを通して主体的に考える力を育む機会になっていたように思う。(吉田、大黒)

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