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アート鑑賞で自分や未来を考える「14歳アートフェス2023」

ベネッセアートサイト直島では、周囲の自然や環境と関わり合う作品の鑑賞を通じて自己や他者との対話、自分にとっての「Benesse(よく生きる)」とは何かを考える体験を提供しています。
今年の3月に初めて開催した、作品鑑賞を通して自己理解を深めることを目指したイベント「14歳アートフェス」では、全国各地から集まった中学生がアートを鑑賞しながら自分や未来のことを考えました。
今年の8月にも開催した同イベントに参加した「14歳」の参加者は、直島のアートとの対話を通して何を思い、考えたのでしょうか。

今回は8月に開催したイベント当日の様子をレポートします!
(初回の様子はこちらからご覧いただけます。アート鑑賞を通して自分と未来について考える14歳アートフェス【直島アート便り】|ベネッセ教育情報サイト (benesse.jp) (出展:ベネッセ教育情報サイト)

「自分を構成するもの」とは?

8月24日に実施した「14歳アートフェス」には、日本全国から3名の方が参加してくれました。
「アートが大好きで、かつ、14歳。これからの自分の未来を、夏休み最後の日に、考える1日にしたい。」
「プログラムが面白そうだったこと、会場が夏休みを利用しないと行けない場所だったこと。」
「安藤忠雄さんと直島が好きだから。」
など参加動機は様々です。

作品鑑賞を始める前に、まずはワークシートを使って自己紹介をしました。円の中に「私を構成するもの」を文字や絵で描き入れていきます。自分の趣味や好きなこと、1日のスケジュールなど個性的な円に仕上げて自分を表現してくれました。

作品鑑賞を通して自分や未来を考える

次に、ベネッセハウス ミュージアムにて、いくつかの作品を選んで対話型鑑賞を行いました。作品をじっくり観察し、気になったところや印象をひとりずつ話しながら、作品鑑賞を深めていきます。

見方に正解がない現代アートを観ながら、自分はどこに注目し、どんな捉え方をしたのか、ファシリテーターの問いかけに答えながら少しずつ言語化していくことで、自分の思いや関心事に気付くきっかけに繋がります。また、他の人の解釈に耳を傾けることで自分にはない考え方に触れ、相対的に他の人とは違う自分だけの視点と出合うことができます。

現代アートを前に初めは少し緊張している様子でしたが、対話が進むにつれて、作品の前後のストーリーを想像したり、学校生活と照らし合わせて解釈をしたり、自分の身近な話題や記憶などと結び付けながら一人ひとりが自分なりの見方を話してくれました。

対話型鑑賞で自分なりに作品を観るステップを踏んだ後、自分が気になった作品を一つ選び、ワークシートを使いながら今度は一人で作品と向き合います。参加者は選んだ作品をスケッチし、時間をかけて鑑賞する中で抱いた印象や気になったところ、作品のどこからそう感じたのか、それは自分の記憶や経験と繋がっているか、そこから何を考えたか、など自分の考えを書き出していきます。

最後に、作品鑑賞を通して考えた自分の未来へのテーマを考え、一人ずつ発表し合いました。様々な解釈が自分の中に生まれてきた体験から「普段の生活でも物事を多角的に考えられるようになりたい」など、作品鑑賞を通して考えた「こうなりたい」、「こうしていきたい」という思いを発表してくれました。

イベントを通して参加者が得たもの

今回のイベントに参加した方からは、「参加前は素通りしていた作品もじっくり考えることによって色々な視点で見るきっかけになりました」「作品を通じて、自分の中にある黒い感情や明るい感情など様々な気持ちが沸き起こってくるのを感じました。」と感想をいただきました。

イベント当日、参加の方々は作品を前に周りの環境や過去の出来事などと結び付けながら少しずつ自分の思いを言語化していました。現代アートを媒体に、自由に観て感じて考えること、それを自分の言葉で表現すること、他の人の意見に触れて視野を広げる体験を通して自分のこと、未来のことを考える機会に繋がっていたのではないでしょうか。(大黒)

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