NBAのデータから学ぶ攻撃効率の評価方法

POSSとPPPを使った攻撃効率の見方

バスケットボールの世界では、「アドバンススタッツ」という用語がますます重要になっており、この分析手法はゲームの理解を深める鍵となっています。特に、「POSS（ポゼッション、つまり球保持回数）」と「PPP（ポイント・パー・ポゼッション、1ポゼッションあたりの得点）」は、チームや選手の攻撃効率を評価する上で不可欠な指標です。

今回はPPPとPOSSに焦点を当てて、実際のNBAデータを分析し、これらのアドバンススタッツがゲームプランの策定や選手のパフォーマンス評価にどのように活用できるかを考えていこうと思います。

使用する指標の解説

PPP（ポイント・パー・ポゼッション）

PPPは「ポイント・パー・ポゼッション」の略で、1ポゼッションあたりの得点を意味します。この指標は、チームや選手がどれだけ効率的に得点を上げているかを示します。高いPPPを記録するチームや選手は、一般に攻撃面で非常に効率的とされ、少ないチャンスで多くの得点を上げる能力があると見なされます。PPPの計算方法は次の通りです：
PPP = 総得点数 / POSS

POSS（ポゼッション）の解説

POSSは「ポゼッション」、つまり球保持回数を意味します。一つのポゼッションは、チームがオフェンスに移行し、ショットを打つ、フリースローを得る、またはボールを失うまでの一連の動きを指します。ポゼッションの数は、ゲームのペースやスタイルを反映し、チームがどれだけ攻撃機会を持っているかを示します。POSSの計算は細かく考慮すると計算が大変になってしまうので、今回は一般的に使われている方法で算出します
POSS=FGA+0.44×FTA+TO

FGAはフィールドゴールでのシュート回数、FTAはフリースローの回数、TOはターンオーバー数です。0.44をかける理由をchatGPTに聞いてみたところ以下のような返答が返ってきました

フリースローの試みに0.44を掛ける理由は、すべてのフリースローが新しいポゼッションを意味しないからです。多くのフリースローは、例えばアンドワン（シュート成功後の追加フリースロー）やテクニカルファウル、フラグラントファウルなど、特定の状況下でのみ発生します。これらのフリースローは通常、新しいポゼッションとは見なされません。そのため、すべてのフリースローが新しいポゼッションを作り出すわけではないことを反映するために、平均値である0.44の係数を使用しています。

ケーススタディ

今回は2023/11/15に行われたブレイザーズvsレイカーズを取り上げて実際にPOSSとPPPを見てみましょう

得点的には110 vs 116でレイカーズが勝ちましたが、得点効率的な視点ではどうだったのでしょうか

ブレイザーズ
FGA 90
FTA 9
TO 15
POSS 108.96
PPP 1.01

レイカーズ
FGA 84
FTA 37
TO.  9
POSS 109.28
PPP 1.06

この数値をみてみると、ブレイザーズは１ポゼッションあたり1.01点、レイカーズは1ポゼッションあたり1.06点、勝利したレイカーズの方がPPPが高いことがわかりますね。これらの数値を使って試合結果を考察してみましょう

データ引用:
https://www.nba.com/game/por-vs-lal-0022300187/box-score

 フリースローによるPPPの差

PPPにおいてレイカーズはブレイザーズよりも高い（1.06対1.01）。これはレイカーズがポゼッション当たりでより効率的に得点を上げていることを示しています。これは、特にフリースローからの得点が多いためかもしれません、フリースローは2Pや3Pよりも確率が高いシュートなので得点効率が高くなります。

 ターンオーバーの差

ブレイザーズはレイカーズよりも多くのターンオーバーを記録しています（15対9）。これはブレイザーズにとって不利な要素であり、ポゼッションの損失を意味しています。

どうすればブレイザーズはレイカーズに勝てたのか？

もちろん勝つためには色々なことが考えられますが、シュート力を変えないとしたらブレイザーズのPPPは1.01なのでターンオーバーを7回減らせれば勝てることになります(極論です)

データと照らし合わせて試合を見ることで6点の差を一番簡単に埋められるのはどうすればいいかを考えることが重要です。例えばPOSS(攻撃回数)を増やすためにORを取る。なども一つの手でしょう

まとめ

今回のケーススタディを通じて、ポゼッション（POSS）とポイント・パー・ポゼッション（PPP）がバスケットボールの試合分析においていかに重要な役割を果たすかを見てきました。ブレイザーズとレイカーズの試合では、両チームのPPPが勝敗に大きな影響を与えたことが明らかになりました。

最後まで読んでくださってありがとうございます。質問、意見、感想お待ちしております。

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