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恋人と共通点が多くなるにつれ、怖くなる私

1年ぶりに恋人ができた。
付き合って2ヶ月、今が一番楽しい時期だと思う。

彼の顔も身体も優しさも笑いのセンスも全部素敵すぎて、なんで私なんかと付き合ってくれた?と不思議になるくらいだ。
そんな私が彼と付き合って強く感じたのは、「私との共通点が多すぎる」ことだった。

彼とはマッチングアプリで出会ったのだが、アプリで登録している趣味(音楽・映画など)カードがとても似ていた。そして、互いが好きな映画監督の映画を見ることになった初デートで出身大学も同じだったことが判明した。

(これは、運め…)

いや映画じゃないんだから…と自分を冷静に保ちながらも、話すたびに「私も!」が止まらなくなる彼との時間が心地よく、自然な流れでお付き合いすることになった。
まだ出会って2ヶ月ほどだけど、2人の共通点ポイントカードはもう貯まりに貯まっているんだよなあとデートをするたびに感じていた。そう考えている自分に気がついたとき、ふと思った。

(これ、映画「花束みたいな恋をした」と流れ同じじゃない…?)

「東京ラブストーリー」「最高の離婚」「カルテット」など数々のヒットドラマを手がけてきた坂元裕二のオリジナル脚本を菅田将暉と有村架純の主演で映画化。坂元脚本のドラマ「カルテット」の演出も手がけた、「罪の声」「映画 ビリギャル」の土井裕泰監督のメガホンにより、偶然な出会いからはじまった恋の5年間の行方が描かれる。東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った大学生の山音麦と八谷絹。好きな音楽や映画がほとんど同じだったことから、恋に落ちた麦と絹は、大学卒業後フリーターをしながら同棲をスタートさせる。日常でどんなことが起こっても、日々の現状維持を目標に2人は就職活動を続けるが……。
映画.com

この作品を見た方ならお気づきであろう、ポイントカードが貯まっていたのは彼らも同じだった。デートをしたら同じトートバッグを持っていたり、相手の家の本棚を見たらほぼ自分ちの本棚であったり、彼らも「共通点が多くて、似ていた」のだ。
だが、映画の冒頭で映し出されるのは別れたあとの2人だった。似たもの同士で最初は何をやっても楽しめていたのに、環境の変化に伴って、すれ違うことが多くなり、結果別れを選んだ2人の軌跡を描いたのが本作だ。

別れたのはどっちが悪いからではない。相手が自分と似ていると理解してしまうと、相手に同じものを求めたり、言わずとも自分のことを理解してくれるという考えになってしまい、その癖が関係の歪みになってしまうのではないかと私は映画の中の彼らを見て感じた。

共通点が多い彼とは、今後長いお付き合いをしたいと考えている。共通点が多いことは同じことをして楽しめるという利点はある一方で、関係を歪めてしまう原因でもあることを知ってしまった私は、以前よりも「同じ」をそこまで喜べていない。
似ていてもあくまで他人だ…と常に自分に言い聞かせたり、たまにこのnoteを見たりしながら、彼との距離感をキープし続けたいと思っている。

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