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プロ野球選手会が高野連に寄付を検討

5月20日に甲子園大会の開催可否が検討されるなか、決定に先立ちプロ野球選手会から素晴らしい提案があったので是非シェアしたいと思います。

その提案というのが、プロ野球選手会から高野連への寄付です。詳細は下記の記事をご覧下さい。

何が素晴らしいかというと、寄付の本質や支援者のありかたを示している点です。今回の寄付では、要望はほとんど出していません。つまり、地方大会開催可否の判断は高野連に任せ、予算が足りないことができない理由であれば選手会でサポートしますと言っています。

開催しろとも、中止にしろとも言っていません。対策についても言及していません。それでも、開催出来る可能性があるなら、予算の心配はするなと言っているのです。

もちろん、対策を考え提案できるのであれば、その方が良いでしょう。しかし、事情は各地域によって異なります。非常事態宣言地域もあれば、感染者のいない地域もあります。開催可否や方法は各々の地域で考えるしかありません。それを選手会も分かっているので、どのようにして欲しいという要望は出していません。つまり、自由に考えて下さいと言っているのです。そして、それを支持します。お金も出しますと言っているのです。

これまで、様々な人たちが、開催すべきとか自粛すべきとか意見を言っていました。しかし、これには殆ど意味はありません。評論家がどう思おうと、出来るものは出来ますし、出来ないものは出来ません。感染の広がり方、対策、予算など様々な要素により開催の可否は判断されます。今回の検討では予算という自分たちがコントロール可能な部分にフォーカスして、高野連をサポートしています。

もしかしたら、どう予算を組んでもリスクが大きく、開催出来ない地域が出てくるかもしれません。その判断も含めて高野連に任せ、出来るサポートのみに徹している。この点が今回の選手会の素晴らしい点です。口は出さずに、予算のみを出す。これは支援者として素晴らしい姿勢です。

ここで勘違いしないで欲しいのは、間違った判断にも口を出すなと言っているのではありません。もし高野連が無理な状態で一律開催をしようとするなら、その時は寄付の停止も含めて口を出す権利はあります。むしろ、そのような抑止力になることも求められていると思います。中止となった場合には、なぜ出来ないのか説明を求める必要もあります。中止が予算の問題では無いのであれば、その時にはどうすることも出来ません。基本的には高野連が考え、決定する問題です。どの程度のリスクまで許容するか判断するのも高野連です。責任を取るのも高野連です。そこに外部の人間が、無責任に口を挟むのは、基本的に意味がありません。リスクを誤って見積もっているなら助言はすべきだとは思いますが、判断に口を出しても何も変わりません。

今回のこの検討が野球に留まらず、他の事柄にも広まって欲しいと思います。野球は規模も大きく、商業的にも成功したスポーツのひとつであるため、寄付も集まりやすいと思います。他のマイナースポーツや、文化系の部活などでは、難しい事もあるかもしれませんが、インターネットで繋がっている現代ならやり方は色々とあると思います。OB・OGを含め、支援者もあなたが考えているよりも多くいると思います。そして、支援者の方々の中には、あなたがが思いも寄らない資産をもっている人もいるかも知れません。お金持ちはもちろん、施設を持っている人やコネを持っている人もいるかもしれません。もし、あなたが本当にやりたいことがあるなら、自分がコントロール出来る範囲で行動してみて下さい。

もちろんどうにもならない事もあります。野球のように寄付が集まらないかもしれません。それでも、他の人が出来ないのだから、野球もやるべきでは無いというのは全く筋が通っていません。格差を是正するのは政府の役割です。そして格差是正の方法は他が出来ないから、お前も自粛しろと低い方に合わせるのではなく、あなたも出来るようにと高い方に合わせるべきです。相手の足を引っ張り低い方に合わせるのは、正しい格差の是正方法ではありません。

この寄付のあり方、支援の仕方が他の事にも広がっていくのを期待しています。もし、あなたが支援して欲しいと思うなら、一旦予算は忘れてどのようにすれば出来るかを考えて見て下さい。そして、その方法の実現のために支援を募れば、賛同者が出てくるかもしれません。

それでは今日も良いBaseball Lifeをお送り下さい。


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