見出し画像

イップスが治らないのは、イップスの定義が定まらないからだ!

イップスに苦しむ人が多くいますが、イップスがなかなか治らないのは、イップスの定義が定まっていないというのが一因だと思います。

例えば、熱が出たから治したいと思っても、インフルエンザなのか、食中毒なのかなど、病気の原因が分からなければ、どんな素晴らしい薬や治療設備があっても治すことはできません。

自分の送球や投球の問題がイップスだと言っている人がいますが、そもそもイップスとは何を指しているかを理解してイップスといっていますか?
イップスには明確な定義は今の所ありません。イップスの中でも、原因や症状などは様々であり、分類分けも進んでいません。つまり、病気で言うと発熱程度のざっくりとした分け方です。発熱の中には、病原菌が原因の人もいれば、ウイルスが原因の人、自己免疫システムが暴走している人もいます。それを発熱だから寝れば治ると言うのは乱暴です。

イップスも同様です。送球が思い通りにならない理由はイップスだと言っても、何の解決にもなりません。

Yahooニュースに元オリックスの北川博敏さんがイップスだったという記事が出ていました。記事では検査をすると肩に炎症があったとのことでした。

北川さんはイップスだったのでしょうか?
記事の本筋はイップスではないので詳細は記載されておらず、正確なところは分かりませんが、怪我で投げたいフォームで投げれないのと、イップスは違います。痛みによってフォームが安定しないのか、それとも痛みの少ないフォームに変えた事により、新しいフォームの練習不足でフォームが安定しないのか、試合になると練習時より力んで痛みが酷くなるためフォームが安定しないのか、など原因を詳細に分析し解明しなければ、イップスであることが分かっても意味がありません。

私の記事では、イップスをある条件下でのみコントロールが定まらない事として話を進めています。逆に言うと、これまでの人生で、遊びや練習も含めてずっとコントロールが悪い人については、イップスと考えてはいません。常に一定のコントロールであることをイップスというのはどうなのかと思います。確かに、ある時から急にコントロールが定まらなくなったと言うならイップスである可能性は高いです。怪我をきっかけにイップスになることもよくあります。それは、怪我をして以降、腕を今までのように振り切るのを躊躇してしまう、つまり力の調節を小手先でしてしまうからです。

イップスと力の調節については下記の記事に詳しく書いています。

すでにメディアでもイップスという言葉をよく聞くようになりました。イップスについての理解が広まってくれればよいのですが、イップスという言葉だけが一人歩きし、誤った捉え方をされてしまうのではないかと危惧しています。

私から言わせれば、イップスは単に力の調整が下手なだけです。メンタルが弱い訳でも、気合が足りない訳でもありません。練習をサボっている訳でも、センスが無い訳でもありません。もちろん不治の病でもありません。単純に力の調節の練習が不足しているだけです。そもそも力の調節という概念を教えられる人がほとんどいないのですから、できなくて当たり前です。自分がイップスだからと隠す必要も恥ずかしがる必要もありません。間違った情報が拡散し、正しく対処すればすぐ治るのに、隠したり逃げたりして治りが遅くなってしまうことが無いことを願います。

もし周りにイップスかもしれない人がいるなら、この記事などを紹介してあげて下さい。そもそも大抵の人は力の調節という考えがないので、私から言わせれば、ほぼ全ての人がイップス予備群なのですが。

それでは今日もよいBaseball Lifeをお送り下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?