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『一徹』 谷上史郎

甲子園通算38回出場、68勝という歴代最多の出場と勝利数を誇る智辯和歌山元監督・高嶋仁氏の生涯と、監督を勇退するまでの葛藤と決断を描いた一冊。

野球を始めた少年期から、勝利を義務付けられた智辯学園の監督時代、そして部員2人からスタートした智辯和歌山の監督就任当初のエピソードなど、徹底した取材があったからこその内容で、高嶋監督の人柄や誰にも負けない負けん気、高嶋監督にしか分からないであろう苦労などが伝わってくる。

春夏合わせて3回甲子園で優勝を果たすも、近年は大阪桐蔭という新興勢力になかなか勝てず、歯がゆい思いをしていた様子などもリアリティをもって綴られている。

とにかく「甲子園」という場所で野球を観ることが大好きな高嶋監督だからこそ、ここまでの結果を残すことができたのであろう。

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