👤好きなものを好きなように楽しむためにー『ずっと』の言葉に縛られた自分ー

好きなものをずっと好きでいるために。

　自分で発したのにもかかわらず、この言葉に違和感を覚えたのは、いつからだろう。

好きなものはずっと好きでいなきゃいけないの。
嫌いなときはあっちゃいけないの。

　疑問だった。自分で自分の首を締めながら、目を背けていた。

　好きなものは一生好きであるべき。一生好きに違いない。好きなものなのだから、嫌いになるわけが無い、誰が決めたのだろう。いや、自分だ。自分で自分を追い詰め『そうでなければならない』というマイルールを作り上げていた。

　好きなものは『好き』に違いない。紛れもない事実だ。しかし時たま嫌になることがある。環境、人間、変わる何かについていけなくなるときだ。

　好きなものに罪はない。それでも、その感情が一時的に変わることだってある。それでいいじゃないか。永続的に続かない『好き』は意味がない。本物ではないと誰が決めたのだろう。自分だ。

　一人で悩んでいたところ、友人が察してくれた。なんとなく様子がおかしいのを彼女はわかっていたのだろう。隠せるものじゃないな。

悲しい気持ちになったときは、
楽しい気持ちになれるところにいきましょ。

　優しい言葉で語りかけてくれた。もうずっと、私のことを私より知っているから。無理して今の環境に身を置いていることも、少しばかりの惰性が見え隠れしていることも。選択肢が増えて、本心が変わっていることも。

別にずっと好きじゃなくたっていいじゃないか。

　ついに私は振り切った。そうだ、今好きじゃないと思ったら別の楽しい場所にいけばいいんだ。そしてまた、好きかなと思えば戻ってくればいいんだ。ずっと同じものを好きじゃなくてもいいんだ。物凄く心が軽くなった。ああ、いいんだって。自分の意思を大切にしていいんだって。

　ずっと周りを気にしていた。勝手に作ったキャラクターを演じて、そういるべきだと無意識に感じていた。自分に圧をかけ、世界を狭めた。自分で自分を解放した。苦しめていた犯人は誰かじゃない。自分の『解釈』だった。

　そうすべき、そうあるべき。その常識は己が勝手に作ったもの。人からどう見られるとか、そんなものは自分の勝手である。相手は全く気にしていない。そして、どんな選択をしようとも人は責任をとってはくれない。全ては自分次第なのだ。

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　ずっと続けるべき、ずっと好きであるべき、ずっと…。ずっとの言葉に苦しめられていませんか。永続的でなければ、それが本物ではないと思ってはいませんか。責任感のある人、途中で投げ出すのが嫌な人。何となく義務感がある人。それぞれだと思います。

人からどう見られるかではなく、
自分のやりたいようにしましょう。
辛かったら、別の楽しい場所に行きましょう。
ずっと好きじゃなくていいんです。
ずっと続けなくていいんです。
自分のことは自分で解放しましょう。

　好きなものをずっと好きでいるために。それは、ずっと好きでいなくてもいいと思うこと。矛盾した言葉だけれど、ずっとという言葉で自分を縛らない。それだけできっと、楽しく生きられると思うから。