📸きれいだけじゃ、納得できない。

きれいな写真ですね。と、いわれると悲しくなってしまう。

天邪鬼なのだろうか。褒められているはずなのに。

　ポジティブな感想であることはわかっている。言葉を発した人にとって、それ以上の意味がないことも。そもそも、褒めてくれたのにもかかわらず、悲しくなるなんてとんでもない。わかっている。それでも、そうなってしまうのだ。きれいの裏に、他の意味合いが含まれているのも承知している。それでもだ。

それはなぜか。

　一眼レフで撮った写真は、きれいなのが当たり前だから。きれいは誰にでも残せるから。きれい以外の感想を得られないのは、自分の実力不足を突きつけられているから。

かっこいい写真に、こだわりたい。

　誰かに褒められたいがために、写真を撮っているわけではない。それでも、自分の満足する基準の先に、かっこいいという指標がある。かっこいいプレー、かっこいい表情、かっこいい瞬間を私は残したい。

研究を重ねることが、何より大事。

　かっこいい写真を残したい。その思いから私は、新しい画角の追求を怠らない。最近では、プロ野球ファンの写真を参考にしている。選手の表情に着目した、生き生きとした一枚が多いからだ。私が撮る作品の9割がプレー写真を占めている。選手たちの笑顔や普段の様子がほとんど残っていない。

　理由の一つに、スコアを書いていることが考えられる。一瞬一瞬のプレーを書き出し、私なりに先々を予測する。資料の役立つところは、どんなシーンが最も輝くかを考えられること。脳のメモリが少ない私にとって、スコアは非常に有効だ。

　しかし、スコアを書いていると、当然ながらプレーに夢中になる。内容ありきで試合を追い、個々の選手の動きまで見られていない。マンネリ化の原因はそこにあると、私は確信した。

　InstagramやTwitterでたくさんの人の作品を見る。どの作品も、個性が溢れていて大好きだ。応援している選手の一瞬を逃すまいと、強い意気込みすら感じる。カメラはその人の目だ。自分の持っていない感覚、視点。全てが新鮮で、見ているだけで気分が高揚する。

　プレーだけでなく、表情も追ってみよう。私は考えた。ちょうど単焦点レンズを手に入れたことで、画角にも変化があらわれた。きれいの先にある『かっこいい』を、たくさん残すために。自分が納得できる一枚を、撮るために。

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　きれいな写真という言葉は、決して悪ではありません。声がけしてくれた人も、事実をいったまでです。むしろ褒めてくれていますから。捻くれた受け取り方をする自分に、嫌気すら感じました。それでも、一眼レフは当たり前のように写真を『きれい』に残してくれます。それは、自分の技術ではなくカメラの性能なのです。それを知っているからこそ、少しばかりの落胆がつきものなのです。

　性能を十二分に生かし、自分の技術に取り込む。今後の目標です。自分の永遠のライバルは自分ですから、昨日より今日、今日より明日。より良い一枚を残したいと思います。挑戦することを、恐れずに。