📸初めて撮った写真を、あなたは覚えていますか。

わくわくする瞬間を、ずっと追っていきたい。

必要に駆られて買った一眼レフ。気づけばそのカメラライフも、早いもので8年目を迎えました。野球をみるのも撮るのも楽しい。毎試合、新しい発見があります。

さて、皆さんは初めて撮った写真を覚えていますか。私は覚えていませんでした。ただ、初めて一眼レフを構えたときの気持ちは覚えています。デジカメやスマホとは違う、独特の世界に引き込まれた瞬間。あの高揚感は、今でも忘れられません。

初めて一眼レフで撮った写真

2014年5月5日　桜美林大学　佐俣　恵介　さん(2016年度卒)

10万回以上切ったシャッターのうちの、記念すべき一枚目。たくさんの感動の場面に立ち会ってきたからこそ、その記憶は遥か彼方に置き去りにされていたのです。

初めて撮った写真を、クラウドの中から見つけ出しました。桜美林大学の写真でした。現在の自分の作品と比べると、なんだか初々しさを感じます。必死に撮ったんだなという様子も伺えます。設定も何もわからない状態での挑戦。色味、動き、いい意味で余計なことを考えずに撮っていました。ただ、被写体を真ん中に置くということはできていたようです。

今だって特別『上手い』なんて口が裂けてもいえないですが、間違いなく当時より腕は上がった。そう思える当時の写真。この一枚が、私の原点だったのでしょう。当時はそれでも、綺麗に撮れたと満足していました。

最近撮った写真

あれから数年が経過しました。日の差し込む角度や色味、画角にも工夫が凝らされています。試合を追いかけながら、どんな瞬間を残したいか。むやみにシャッターを切るのではなく、捨てる覚悟ができたと見えます。全てを残すことはできません。だからこそ、自分の『残したい瞬間』を的確におさえる。その瞬間はどんな場面か。そして、どうしたら撮れるのか。場数を踏んで、学んできました。

もちろん機材の進化もあります。しかし、それだけで写真は変わりません。どうしたら上手く撮れるのだろうと、課題を常に模索する。好奇心と探求心と向上心。そして野球が大好きだという気持ちを大切にしています。お金である程度の技術は買えます。しかし、その＋αの部分はいくらお金を積んでも得ることはできません。

初めて撮った写真は、当時の記憶を鮮明に引き出します。忘れていた気持ち、思いを生々しく。

被写体生かすも殺すも自分次第

初期の頃の写真は、とても下手くそです。メッセージ性がなく、何を伝えたいのかまるでわかりません。ただ一つ、当時はとても必死だった。一眼レフという高級カメラを構え、技術のない私が振り回される日々。翻弄されながらも、何とかうまくなりたいという思いで、今日までやってきました。

下手くその一枚は、カメラライフの最初の一歩。この一歩がなければ、今日という日はありません。自分なりに考え、自分なりに工夫し、他者の作品を見て学び、得てきた力。自信になったなんて、おこがましくていえないけれど、積み上げてきたものを感じます。

綺麗な写真だねではなく、かっこいい写真だね。そう思える一枚を求めていく。一眼レフなので、綺麗に残せるのは当然です。だからこそこだわりをもって、自分の力をアップデートしていきたいです。もっともっと、かっこいいと思える作品を追求していきます。

初めて撮った写真を、あなたは覚えていますか。
そのとき、どんなふうに感じましたか。

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誰しも最初から上手く撮ることはできません。(今だって上手くない)
ピントが合わないのはしょっちゅうあったし、暗すぎて世に出せない作品もたくさん撮ってきました。それでも続けているのは、野球が大好きだから。応援している選手を自分の手で残したいから。

最後は好きかどうか。上手い下手なんてどうでもよくて、自分が満足できたらそれでいいと思っています。ただ私は、昨日より今日、今日より明日、もっとかっこよく残したいと思って、カメラを構えています。

選手が不死身の体で、ずっと野球を続けていてくれたらと願っています。しかし現実問題、それは叶いません。いつか必ずユニフォームを脱ぐときがやってきます。それは今日かもしれないし、明日かもしれない。どこにも保証なんてありません。

後悔したくない。だから、残せるときに残す。
後悔したくない。だから、見に行けるときに必ず行く。

写真は一生の宝物です。記憶はいつか薄れてしまいますが、記録はずっと残ります。

過去に戻って残すことはできない。後悔しないためにも、私はこれからもシャッターを切り続けます。

初心忘れるべからず。