見出し画像

⚾応援團長のサイトーさん

首都大学春季リーグ戦が開幕しました。
朝から晩まで球場に入り浸る『気狂い生活』の始まりです。

球場にいると様々な出会いがあります。
今春も早速、劇的な『再会』がありました。

――――

開幕試合が終わり、一息ついていたときのこと。
突如いかした男性が私の前にあらわれた。

「失礼ですが、かなねーさんですか」

サングラスをしていてわからない。
こんないかつい兄さん私知らない。

「はい、そうです」

驚きを隠せない私。なにかを確信した男。

サングラスを外し、もう一言。

「城西大学の元応援団長の齊藤です。桜美林の佐々木千隼の代の」

待てよ、この人私が桜美林生だったことを知っている。

「ああ!!!!」

私のバカデカボイスが球場に響き渡った。
その様子、まるで一人スタンディングオベーション。
周りは見えぬが、間違いなく引かれていた。

思い出した!!!!

袴を着て応援していたあの団長。

「ご無沙汰しています。まさかと思ったのですが、お元気そうで」

びっくりした。
野球部はおろか、応援団長にまで覚えられているなんて。
桜美林大学の佐々木千隼投手が在籍していたのは2016年。8年も前のこと。

いや、凄いなよくわかったな。
感心せざるを得なかった。


彼の名前は齊藤優輝さん。城西大学の元応援団長。
白地に紫と黄色が施された袴を身にまとい、堂々たる姿でスタンドにいる選手を仕切っていた。もちろん顔はいかつかった。



当時のことはよく覚えている。


当然ながら、話をする機会などなかった。私は試合に集中し、齊藤さんは応援に徹している。むしろ彼が私を認識しているなど、思ってもみなかった。

挨拶もそこそこに少しだけ話をした。

城西大学の応援団OBとして、今も現役生の指導にあたっていること。
全日本学生応援団連盟に所属し、活動していること。

社会にでてもなお、応援活動をずっと続けている。
その情熱と取り組みに、私は刺激を受けた。

何事も『続けること』のなんと難しいことか。

コロナで一度途切れた応援。
なんとか今まで通りに戻れば、それ以上になればと、齊藤さんは熱心に指導を行っている。

齊藤さんが四年生の秋のとき、城西大学は二部リーグに降格した。

「僕が落としたっていうか、なんていうか、後悔しているんですよね」

もちろん第一線で戦っているのは選手。ゆるぎない事実。
しかし、この言葉が彼から発せられるということは『応援団も一緒に戦っている』という証拠。

降格時に感じた『後悔』が今の原動力に繋がっているのではないかと感じた。単なる応援指導ではなく、そこには情熱がある。応援が試合を動かし、応援によって変わる未来がある。その思いをもって、後輩を指導しているのだと。本当のところは聞かなければわからないが。

いずれにせよ、野球が繋いだ縁は途切れない。改めて感じた。

私は応援団の世界はよくわからない。
ただ、齊藤さんの思いが後輩たちに継がれていけばいいな。そう思った。


――――

野球界は本当に広くて狭い。

今回、齊藤さんとの再会は私にとって嬉しい出来事でした。
まさかこんな形でお会いできるとは思っていませんでしたし、私のことを覚えいていることすら驚きでした。

齊藤さんは応援団の世界に飛び込み、今もなお熱をもって続けています。その情熱は尊敬に値します。

先述しましたが、続けることは本当に難しいです。
逆を返せば、やめなければチャンスは無限大であるということでもあります。

続けた先に広い世界が待っている。

そう信じて、私も歩みを止めず日々頑張っていきます。


いただいたサポートは野球の遠征費、カメラの維持費などに活用をさせていただきます。何を残せるか、私に何ができるかまだまだ模索中ですが、よろしくお願いします。