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少年野球とタバコ問題

 地域に根ざした普通の少年野球チームには、大人たちのタバコについてのクレームが度々来る。
 
 学校の校庭やグラウンド内はほとんどが禁煙なので、愛煙家たちは敷地を少し出たところで吸うことになる。また、愛煙家たちが「吸いたい」と思うタイミングは同じなので、何人かの大人が固まって談笑しながら吸うことになり、近隣住民からのクレームへとつながることが多い。

 当然のことだが、大人の喫煙は個人の自由だ。ルールを守って喫煙している以上それを責める権利は誰にもない。にもかかわらず近隣住民からクレームが来るのはなぜか。その理由を少年野球に関わる大人たち、特に監督やコーチは一度しっかり考える必要がある。
 
 喫煙が体に及ぼす害について知らない人はまずいない。しかし、やめる気がない人、やめられない人は「健康に対する意識が低く、意志の弱い人」というイメージを持たれやすい。
 あくまでイメージの問題ではあるが「そういう大人が少年野球の指導者であっていいのか?」という疑念を持たれるからクレームにつながるのだ。
  
 私はここで再三言ってきたが、少年野球には「子どもの教育」という側面がある。現在指導に当たっている監督やコーチが「私たちはただ趣味で野球を教えているだけだ」と言ったとしてもそれは認められない。むしろ相手の疑念をさらに深めてしまうだろう。
 なぜなら近隣住民は、少年野球の活動が子どもたちの教育の一環だと思うからこそ、我慢している部分があるからだ。

 それが、自分を律することさえ出来ない大人たちが、子どもたちを駒のように使って野球を楽しんでいるだけの活動だと分かったら、今すぐにでも出て行ってもらいたいと思っている人がたくさんいる。
 もちろん、クレーマーのように何をやっても(やらなくても)クレームを付けてくる住民はいる。しかし、そうではない普通の住民をいかに味方に付けるか、理解して応援してもらえるかが少年野球の活動のカギだ。
 
 少年野球チームが今後もその地域に根ざし、住民の理解を得ながら居心地良く活動していくためには「これは子どものための活動である」というその一点を肝に銘じて守らなければならない。そして分かりやすく表現しなければならない。
 喫煙という行為、それを集団で行う行為がどんなイメージを与えるか、それさえ分からない大人は、やはり少年野球の現場から居場所を失っていくだろう。

 人間性が素晴らしく、子どもたちにとても好かれる良い監督であったとしてもそこに例外はない。
 
 

 


 

 

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