弁護士 牧山秀登

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弁護士 牧山秀登

渋谷で弁護士をやっています。 法律の記事を書いて行きます。 ホームページ https://lawyer-h-makiyama.jimdosite.com/

最近の記事

行政機関の出した命令が法律の委任の範囲を逸脱していないかについての考え方の説明および判例の紹介

考え方の説明 行政機関が法規命令(国民の権利義務に関係する一般的抽象的な定め、政令等の形式を有する。)を有効に制定するためには、国会の定めた法律の委任がなければなりません。  何を言っているのか、以下説明いたします。  国民の権利義務に関する一般的抽象的な定め(このような内容を持つ定めを「法規」と言います。)は、国会により国民の代表者によって審理されたうえで制定されなければならないと考えられています。  憲法41条が 国会は・・・国の唯一の立法機関である。 と定めている

    • 訴訟用の文献を図書館で収集する際のヒント・留意点

      文献を図書館でコピー(複製)しようと思う場合、著作権上の制限があります(著作権法31条1項)。 単行本なら本全体の半分までコピーできますが、 共著書の場合、それぞれの執筆個所の半分までしかコピーできません。 そうだとすると、多数の執筆者が書いた小規模な記事や論文で構成されている文献はほとんど有効なコピーができないこととなります。 ※東京地判平成7年4月28日判時1531号129頁(多摩市立図書館複写事件)では、辞書の一項目のうち一部しか複製できないとされました。 学説では

      • 相続放棄の注意点1

        Q 父が多額の借金を残して亡くなってしまいました。一方父は美術品の収集にのめり込んでおり、多くの美術品が残されています。  父にお金を貸していてトラブルになっていた父の友人Aが美術品を回収すると私に連絡をしてきています。この人以外にも父にお金を貸していた人は大勢いるようです。 私は、借金を相続したくないし、トラブルに巻き込まれたくないので相続放棄をしようと思いますが、何か注意点はありますか。 1 基礎知識 人が亡くなったときには、相続が発生します。  相続が発生すると、その

        • テナントの賃料減額について

          はじめに 4月26日付の日本経済新聞(私は電子版で読みました。)に、「テナント休業で賃料交渉 民法が交渉カードに」という記事がありました。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58447520U0A420C2000000/ この記事を読んで、なかなか難しい条文の解釈問題があると思いましたので、私なりに法律の説明をし、また考えてみたところを述べてみます。 民法の規定の説明 まず、今年の4月から施行された、新しい民法の611条1項は

        行政機関の出した命令が法律の委任の範囲を逸脱していないかについての考え方の説明および判例の紹介

          自己紹介

          はじめまして、牧山秀登です。 渋谷で弁護士として働いています。 法律の理論的な点にも興味があり、少しずつ記事を書いていこうと思っています。 法分野では、民法(特に、契約法、不法行為法、相続法)、民事訴訟法、会社法、社会保障法、信託法などに関心があります。 また弁護士業務の新しい展開についても考えていきたいです。 どうぞよろしくお願いします!