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訴訟用の文献を図書館で収集する際のヒント・留意点

文献を図書館でコピー(複製)しようと思う場合、著作権上の制限があります(著作権法31条1項)。
単行本なら本全体の半分までコピーできますが、
共著書の場合、それぞれの執筆個所の半分までしかコピーできません。
そうだとすると、多数の執筆者が書いた小規模な記事や論文で構成されている文献はほとんど有効なコピーができないこととなります。

※東京地判平成7年4月28日判時1531号129頁(多摩市立図書館複写事件)では、辞書の一項目のうち一部しか複製できないとされました。

学説では、弾力的に解釈運用しようという見解が有力ですが、
例えば国会図書館の運用は、相当厳格なものとなっております。

わたしも、先日、医療訴訟のために、国会図書館で医学文献を謄写しようとしたところ、上記著作権上の理由により、一度複製を断られました。

もっとも、裁判手続のために必要な場合には、上記制限を超えて複製することができます(著作権法42条)。
そこで、裁判手続きのために必要だと告げたところ、無事に必要な個所全部をコピーできました。

※国会図書館のコピーカウンターに提出する用紙に、デフォルトで書いてある調査研究のためという箇所をチェックするのではなく、裁判手続きに必要なため等と記載すると、奥から特別複写許可書という紙をもって来てくれて、それに所定の事項を書き込むとコピーが許可されます。

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