かっこー

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労働法 採用内定の法的性質

1.問題設定(1) 採用内定が取り消された場合、内定者はどのような法的救済を求めることができるか 採用内定の法的性質 内定の実態は多様であるため、具体的な事実関係に即して法的性質を判断しなければならない 判例:始期付解約権付の労働契約が成立   留保解約権の行使(内定取消)は客観的に合理的で社会通念上相当と  して是認することができる場合に限り認められる。 2.問題設定(2) 内定期間中の法律関係はどうなっているのか 判例:「効力発生の始期」付の労働契約    または

    • 民法 無権代理と相続

      1.問題の所在  本人と無権代理人の資格が相続により同一人に帰した場合、その直前まで存在していた無権代理をめぐる法律問題に変化が生ずるのかどうか。  相続法の原則からは単純に同一人格中に本人・無権代理人双方の資格がそのまま併せて帰属する状態となるだけで、それ以上でも以下でもない。  しかし議論されているのは、このような無権代理人と本人の資格が同一人に帰すことになった場合、行為時にはなかった代理権があとから当然に追完されることになるのではないか、あるいは本人の追認拒絶権の

      • 民法 処分授権

        1.問題の所在   権利を有しない者が権利を処分する行為をしても、原則として処分の効力は生じない。たとえば、非権利者が売買、贈与等の権利移転を生ずべき契約をした場合、契約は有効に成立しうるが、権利の移転は生じない。抵当権や質権の設定の場合、設定契約は物権契約であるとして、非権利者のした行為を無効とする余地があり、契約の有効な成立を認めても、抵当権や質権は生じない。これらの場合に、権利者が後に処分を承認したならば、どのように扱われるべきか。 2.判例(百選Ⅰ38事件) 或

        • 民法総則              代理権の濫用と利益相反行為の関係

          利益相反行為が無権代理の問題であるのに対して、代理権濫用は、本来代理権の範囲内の行為であるものを一定の要件の下で無権代理とみなすものであることから、利益相反行為に当たる場合には、もはや代理権濫用を問題とする余地はない。したがって、たとえば、代理人が自己の利益のために抵当権を設定しており、代理権の濫用の問題と誤解する可能性があるが、利益相反行為に当たる場合には無権代理であり、有権代理を前提とする代理権の濫用の問題にはならないことに注意が必要である。(磯村)

        労働法 採用内定の法的性質

          民法総則 代理行為の瑕疵

          代理人が相手方に対して詐欺をした場合における相手方の意思表示については、代理人の意思表示の問題ではないので、101条1項は適用されず、また、第2項の文言にもあてはまらないので2項の適用もなく、「端的に96条を適用して解決することになる」(Sシリーズ) ここで問題となるのは、代理人が96条2項の第三者にあたるかどうかである。本人と代理人の密接な関係を考えると、本人は代理人が行った行為の不利益を自ら引き受けるべき関係にあることから、代理人は本人にとって第三者とはいえず、したがっ

          民法総則 代理行為の瑕疵

          民法総則 時効援用の効果

          1.援用規定(145条)の存在理由 良心規定 145条は時効の利益を受けるか否かを当事者の良心に委ねたものである 2.時効の完成・援用と時効の効果発生との関係 民法は一方で、時効の完成によって権利が取得され、消滅すると定めているが、他方で、当事者が時効を援用しないと時効によって裁判をすることができないと定めている(145条)。そこで、時効の効果はいつ発生するかが問題となる。 3.判例(百選41) 145条および146条は、時効による権利消滅の効果は当事者の意思をも顧

          民法総則 時効援用の効果

          民事訴訟法スケジュール

          3-2 訴訟要件 8月16日 4ー1、4-2 8月23日 4-3 8月30日 5ー1、5-2 9月20日 6-1、6-2 10月4日 7 10月15日 8 10月22日

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          民事訴訟法 当事者適格

          定義 「当事者適格」とは、特定の訴訟物について当事者として訴訟を追行し、本案判決を受けることができる資格をいう。(リーガルクエスト372頁) 当事者適格をどう決するか 訴訟における当事者適格は、特定の訴訟物について、誰が当事者として訴訟を追行し、また、誰に対して本案判決をするのが紛争の解決のために必要で有意義であるかという観点から決せられる事柄である。(最判平成26年2月27日)

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          民事訴訟法             法人格のない団体の当事者能力

          判例の4要件 ①団体としての組織を備え、②多数決の原理が行われ、③構成員の変更にかかわらず団体そのものが存続し、④その組織において代表の方法、総会の運営、財産の管理等団体としての主要な点が確立していること。

          民事訴訟法             法人格のない団体の当事者能力