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有事を乗り切る! 〜コロナ禍で業界全体を考えて動く人たち〜 大井彩子さん

今回は前回に引き続きの記事です。カフェやバー、飲食業界全般のコロナウイルス 危機に際して、SNSでいち早く情報の発信をおこない、広く業界のためになる活動をおこなっている方にインタビューをした内容の全文投稿です。本来は旭屋出版のカフェレスの特別企画でインタビューしたのですが、かなりボリュームのある内容となったため、こちらのnoteに全文掲載することになりました。
もしよければ5月19日発売のカフェレスの記事もご覧になっていただければ嬉しいです。私が執筆した企画記事と、いつもの連載もご確認いただけます。


インタビュー本編

インタビュー相手:大井彩子(おおい・あやこ)さん
所属:株式会社CafeSnap 代表取締役 編集長
活動:株式会社オールアバウトで CafeSnapを立ち上げ、事業とともに独立。アプリやサイトの運営以外に、イベントの企画なども積極的に行い、カフェ業界の活性化に尽力している。スマホアプリ“CafeSnap”は全国1万3000軒以上のカフェ情報が掲載されている人気アプリとして多くのカフェファンに使われている。

大井さん

大井さんが自ら立ち上げ、現在代表も務めるCafeSnap。


Q1:普段の活動を教えてください

大井さん:個人カフェの魅力を伝える「CafeSnap」(https://cafesnap.me)を運営しています。サービスの軸は主に、ユーザー参加型の「アプリ」と、編集部が中心となって作る「ウェブメディア」。くわえて、イベントの開催、自家焙煎コーヒー店とコラボして作るドリップバッグセットの販売、コーヒーフェスティバルや抹茶ラテアート大会のプロデュースなど、カフェの魅力を多角的に届ける活動をしています。

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Q2:今回のコロナ騒動発生依頼、カフェ業界全体の現状は大井さんにはどのように見えていますか?

大井さん:今日(インタビュー時 4月16日)時点で、東京は緊急事態宣言がでており、外出自粛が呼びかけられていますが、そこに到るまでにカフェオーナーもお客様も、どのように判断して行動するのがカフェのため、そしてお客様(自分自身)のために良いのか、葛藤の日々が続いていました。
特にオーナーにとっては、「経営」と「お客様やスタッフの安全」を同時に考えなくてはいけませんでしたし、感染が拡大していくなかで、店としての「選択」と「次の一手」を迫られているような印象がありました。
一方、お客様の中には「客足が遠のいている今こそ、店をサポートしたい」と、緊急事態宣言がでる直前まで、あえてカフェに出かける人もいましたし、お菓子をいつもより一品多く買うなど、店の経営を気にかける人もいたように思います。
緊急事態宣言が出る少し前から、オーナーにとっては苦渋の選択だったと思いますが、営業を縮小・休業する店が増え始めました。「お客様の健康を願うカフェ」と「カフェを守るために力になりたいと思うお客様」。SNS上では、両者がお互いを想い合うメッセージが行き交っていたのが印象的でした。

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Q3:今回大井さんはCafeSnapで ”【緊急企画】みんなで作るカフェのオンラインショップリスト”を立ち上げました。この理由・背景などを教えてください。

大井さん:緊急事態宣言が東京だけでなく7都府県(インタビュー時は7都府県、現在は全国)にでたことで、「これは長期戦になりそうだ」と緊張感が増し、私自身、居ても立っても居られなくなりました。#STAYHOMEが呼びかけられ、カフェの売り上げがかなり厳しくなることは予想できたので、急遽、“【緊急企画】みんなで作るカフェのオンラインショップリスト”を立ち上げることにしました。
オンラインショップのメリットは、自宅にいながら買い物ができて、すぐにお店の利益に貢献できることです。また、在宅ワークが推奨されたことで「自宅で美味しいコーヒーを飲みたい」という人に、自家焙煎コーヒー店の味を体験してもらえるチャンスだと思いました。
CafeSnapでオンラインショップリストを作るのは初めてでしたが、普段からアプリ内では、全国のカフェ好きユーザーさんがカフェ情報をシェアしてくれているので、リストを作るにあたり「きっとユーザーも力を貸してくれるだろう」と思いました。
また、個人カフェはそれぞれのお店のオーナーの、思想・嗜好・想いが詰まっている場所です。個性や多様性が魅力であって、優劣はありませんので、どんなカフェにも平等に参加していただけるよう、掲載希望の店舗を誰でも申請できるようにしました。

【緊急企画ページのスクリーンショット】
ご覧いただける通り、カフェやコーヒーショップだけでなく。焼き菓子やグッズなども対象に広げリスト化されている。

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Q4:緊急企画を立ち上げてみて、実際どのような感じですか?

大井さん:掲載開始時は約50軒でしたが、全国から申請をいただき10日間で200軒になりました。緊急事態宣言後、急遽オンラインショップを作ったお店もあり、掲載店舗数は毎日増えています。また、リストで知ったお店からお菓子おコーヒーを購入し、アプリやSNSにシェアしてくだった方もいて、少しずつ良いサイクルができているように思います。

【企画ページURL】


Q5:それ以外に自由にコメントがあればお願いします。

誰も経験したことのない事態で、カフェオーナーさんたちの不安は尽きないと思いますが、いまは新しいことにチャレンジできるチャンスの時だとも思います。オンラインショップの開設、キャッシュレス決済、UberEatsの導入、テイクアウトメニューの開発など、収束後すぐにスタートダッシュがきれるよう、いま準備できることが多々あります。
カフェは間違いなく私たちの生活に欠かせないものです。私自身は「カフェは人生を豊かにしてくれる」と思っているので、今後もカフェの魅力を多くの人に届けて、「みんなの人生にカフェを足す」お手伝いができたらと考えています。
そしてなにより、この事態が収束した後、カフェに出かけることを楽しみにしているお客様がたくさんいます。より多くのカフェが、再びお客様を迎えられるよう、CafeSnapとしてお力になれることがあれば、いつでも相談していただけると嬉しいです。

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〜あとがき〜
大井さんと、大井さんが作るCafeSnapの活動は、どのコーヒーショップ、どのカフェにとって競合することのない、誰1人不幸にせず、誰にとっても有益な活動だと思い、以前から好感と興味を持っていました。そしてこの有事において、迅速にカフェのためになる活動をおこなえる行動力は、よりその思いを強くしました。
実はこの緊急企画ページ、私もかなり利用しています。この短期間で、コーヒーだけで4店舗、焼き菓子・グッズだけで3店舗、合計7回利用しています。ただ上から順番にリストを見ていって、なんとなく気になったらクリックするのです。そして「面白そうだな」と思ったら細かいこを気にせず購入するという方法です。「なかなか美味しいな」という感想から、「コロナが収まったら店に行ってみたいな」と思わせるものもあり、サイトをとても楽しめています。

私もコワーキングスペースでこれを書いていますが、ここで購入したドリップバッグと、焼き菓子をお供に仕事をしています。皆さんもぜひ、利用してみてください。サイト事態に色々な情報がないことも、かえってくじ引きみたいで面白いのです。
このコロナ問題が終わった頃、どういった展開をしていくのでしょうか。今後も大井さんと、CafeSnapの取り組みに注目していきたいと思います。

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