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タイトルが思いつかない夜

このエントリはiCARE Advent Calendar 2023の投稿です。

こんにちは。iCAREのShinoです。
今年もあと10日。1日1日が濃く、「これって今年の出来事だったんだ」という思い出が多い2023年でした。

私はよく本屋さんへ行きます。
とくに買いたい本がなくても本屋さんへ入り、本を眺める時間が好きです。

赤瀬川原平さんの"トマソン"という考え方を知り、散歩中に"トマソン"探しをする楽しみも増えました。赤瀬川さんは南伸坊さんの書籍の中で名前を知りました。赤瀬川さん好きな友人からもエピソードを教えてもらうことで、赤瀬川さんの思考に興味を持ち、本屋さんで探すようになりました。

ちくま文庫からよく出版されていることを知り、本屋さんへ行くとその書店のちくま文庫の棚を一通り見る楽しみ方を見つけました。人から人へと興味が広がり今年は今まで読んだことのない作者の本を読むことができました。

本を読むときに、純粋に物語を楽しむものもあれば
保健師的な視点で、「あ、これはセルフケアに役立ちそう」というアンテナで読むこともあります。自分の中で日常生活に落とし込んでできそうなものは、相談者の方もやってみようと思えるのかなと考えます。

今年読んだ本の中で、セルフケアの一つとして紹介する機会が多かった本があります。古賀史健さんの「さみしい夜にはペンを持て」です。

古賀さんは「嫌われる勇気」や「幸せになる勇気」を書いている方です。
この2冊も過去に読んだことがあるのですが、対話形式で物語が進み、気づいたら自分も物語の主人公と一緒に思考し、考え方をインストールできるような感じで、何度も読み直したくなる本になりました。

この「さみしい夜にはペンを持て」を知ったきっかけは、ほぼ日刊イトイ新聞の対談記事(全7回)を読んで興味を持ったのがきっかけです。

中学生のタコジローがヤドカリおじさんと出会って、日記を書き始め、10日間書き続ける間に心得などを教わる過程でたくさんの気づきを得ます。

海の世界の物語ですが、読んでいると人間の私たちの世界にあることだよなと、自分を重ねながら読んでいました。キャラクターを通しているからか、スッと入ってきやすかったです。

セルフケアの方法でどのようにして、この本を伝えたかというと

①まずは「さみしい夜にはペンを持て」の概要を説明する。
②日記を書くことのメリットを伝える。
③本の中のエピソードで自分が読んで特に響いた部分を伝える。

③で紹介するエピソードは、「ネガティブな感情を過去形にすること」です。過去形にし、ネガティブな感情と自分の間に距離をつくる方法はシンプルで試しやすい方法だと思います。

「ぼくはバカだ、と思った」「あの人は嫌な奴だ、と思った」など。
実際解決していなくても過去形にして解決したことにしてみる

そして、どうしてそう思ったのか、なぜ嫌だったのか、自分への問いにつなげることで悩みの原因・課題が見えてきて、解決策を考えられる。
ネガティブな感情に停滞すると苦しいですが、前に進んでいる実感が少しでもあると、感情は楽になると思います。

このエピソードとあわせて、装丁や挿絵もかわいくて、読者を楽しませようとする仕掛け・見せ方に工夫を感じて、読んでいて冒険絵本を読んでいるようなワクワクを感じた自分の感想もあわせて伝えました。

ワクワクが伝わるのか、少し興味を持ってくれて、帰りに本屋へ寄ってみますと話してくれる人が多かった。

ここでプラスαで伝えたのが、
ネット注文も便利だけど、せっかくなら本屋へ行って本棚を探す過程も楽しんで見ること。そして物語の中のタコジローのように、日記を真似て書いてみるために、お気に入りのペンとノートを用意してみる。

実際に本を読み、文房具を買いに行き、感想を教えてくれました。

・物語がとてもおもしろかった。日記が書きたくなった。
・必要なものをネット注文して、文房具や本屋へ行く機会が減っていた。
 学生時代、文房具が好きで新しいペンや付箋を見るワクワクを久しぶりに感じることができた。

直接、自分の感情を整理するために日記を書きましょうと勧めるよりも
ひとつの本を紹介し、間接的に伝えたい情報を紹介し
実際に読んでみた体験から、日常生活の中でできる方法を自分なりに考えてみることで、自分のセルフケアとして習得できるのではないかと思った。

タコジローとヤドカリおじさんの話をぜひ読んでみてほしい。
きっと日記を書きたくなってペンとノートを用意する人もいるのではないかと思う。

新しい年の始まりに向けて、自分と向き合い、気持ちよく年を越せるように準備をしたいなと思います。


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