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[3/19まで]石岡瑛子展と振り返る60-70年代のデザイン史-ggg

銀座のggg(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)の第381回企画展として、
SURVIVE - EIKO ISHIOKA /石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか
を開催しており、見に行ってきました!なんと無料です。
前後期で分けているのですが、後期は東京を拠点に活動していた1960年代から1970年代の、豊富なグラフィック作品が展示されています。

石岡瑛子(いしおか えいこ)さんって?

デザイナー/アートディレクター。東京藝術大学卒。1961年、資生堂宣伝部入社。前田美波里を起用したポスターなどで頭角を現し独立。70年代にはパルコ、角川文庫など時代を揺るがす数々のキャンペーン、ファッションショーの演出、書籍デザイン他を手がける。80年代初頭に活動の拠点をニューヨークに移して以降は、美術及び衣装デザインなど、さらにボーダーレスに仕事の領域を広げ、舞台「M.バタフライ」でニューヨーク批評家協会賞、アルバム「TUTU」でグラミー賞、映画「ドラキュラ」でアカデミー賞を受賞するなど世界的評価を得る。作品集に『EIKO BY EIKO』『EIKO ON STAGE』、著作に『私デザイン』他がある。
gggHPより抜粋:詳細はこちら

2008年には、北京オリンピックの開会式では衣装デザインを担当されています。2012年に逝去されてますが、つい最近でも東京都現代美術館にて企画展が開催されていました(最終日に行きましたが70分待ちでした涙)。

個展の一部紹介

入り口の扉を開けるとと赤い世界が広がります……!
赤い帯のようなオブジェには名言が印字されており、空間を囲っています。左右に大きなスクリーンがあり、数々の作品が映像として流れてきます。

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展示は1階、地下1階、2階の3フロアにわたり、各階がそれぞれ世界観を持っています。

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地下に展示されている作品は装丁や書籍、映画やイベントとのポスターなど幅広いグラフィックを手がけていらっしゃったことが伺えるのですが、なんと言ってもパソコンが普及していない時代のラフ等が見れるのが大変魅力です。
今はパソコンがカバーしてくれ、自分の実力以上のものが作れる時代ですが、当時はガチンコ勝負だったことが伺えます。そういった技術的な部分も勉強になりますが、やはり一番は幅広いデザインの企画・アイデア力が学べる機会かと思います。

1960-1970年代のデザインってどんなだったの?

では、石岡さんが活躍していた時代のデザインはどんなものだったのでしょうか。以下書籍を参考にピックアップしつつ、振り返って行きたいと思います。

1960年~ ミニマリズム、ブリコラージュ、サイケデリック

1950~1980年代はポップアートの時代で1960~1970年代は真っ只中です。アンディ・ウォーホルのマリリンモンローやキャンベル缶を思い出す人も多いのではないでしょうか。
大量生産、大衆消費社会に移り変わっていった時代でもありますね。
その中でも1960年ごろから始まった代表的なものをご紹介いたします。

ミニマリズム
より少ないことは、より豊かなこと

完成度を追求するために、装飾的趣向を凝らすのではなく、むしろそれらを必要最小限まで省略する表現スタイル(様式)。
「minimal(最小限) + ism(主義)」という組み合わせの造語。
芸術の諸分野(美術・建築・音楽・哲学・生活様式 等々)で導入、展開された。その結果、ミニマリズム文学、ミニマリズム建築なども生まれた。
ミニマリズム 出典: Wikiより一部抜粋

ブリコラージュ
寄せ集めて自分で作る・修繕する、その場で対応する「器用仕事」

理論や設計図に基づいて物を作る「設計」とは対照的なもので、その場で手に入るものを寄せ集め、それらを部品として何が作れるか試行錯誤しながら、最終的に新しい物を作ることである。
ブリコラージュ 出典: Wikiより一部抜粋

サイケデリック
トランス状態を表現したグラフィックやロック音楽

幻覚剤によってもたらされる心理的感覚や様々な幻覚、極彩色のグルグルと渦巻くイメージ(またはペイズリー模様)によって特徴づけられる視覚・聴覚の感覚の形容表現である。しばしばサイケと略される。
サイケデリック 出典: Wikiより一部抜粋

1964年 東京オリンピック

ポスターの印象が色濃く残るオリンピック64ですが、ピクトグラムが採用された初の国際イベントでもあり、日本でも有名なデザイナーが集結して作品を作っています。また、デザインポリシーを策定し作っています。
(以下画像引用元:公営財団法人日本オリンピック委員会

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1970年~ スーパーリアリズム、ハプティクス

この時代は「物資の充実」から「ライフスタイルの充実」へと徐々に移っていった時代です。この時代を経て、ポストモダニズムやアフォーダンスの時代へと以降して行きます。

スーパーリアリズム
カメラで写したような、リアルを超えたリアル
美術の教科書に、上田薫さんの「なま玉子B」が載っていたのを覚えている方もいるのではないでしょうか?

写真を用いて対象を克明に描写する美術の潮流である。ポップアートの流れを汲み、また抽象絵画に対する批判として生まれた。
写真というメディアがイメージとして作り出した新しい現実の様相であり、あるいは写真が持つ独特の効果そのものである。
スーパーリアリズム 出典: Wikiより一部抜粋

ハプティクス
触れたとき、力や振動を感じる触覚技術

利用者に力、振動、動きなどを与えることで皮膚感覚フィードバックを得るテクノロジーである。
微妙に制御された触覚を伴う仮想オブジェクトを作ることができ、それによって人間の触覚がどのように働くのかという研究を可能にした。
ハプティクス 出典: Wikiより一部抜粋

歴史を知ってから作品と対峙する

こういった知識を入れてから再度作品を眺めると、その時代背景からの志向が加わり、新たな発見があるかもしれません。
ここではほんの一部の作品をご紹介にとどまっていますので、会場に足を運んでみるのはいかがでしょうか。

詳細はギンザ・グラフィック・ギャラリーサイトをご確認ください。
後期 {グラフィック・アート}:2021年2月3日(水)-2021年3月19日(金)

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最近イベントに参加できてないので、デザインやビジネスのイベントがあったら行きたいです。おすすめあったら教えてくださいー