見出し画像

僕が退職&移住した理由

僕は7月8日をもって今働いている会社の勤務を終了し(今は有給休暇消化中)、7月12日に東京都北区から広島県尾道市に移住した。

自分の中ではなかなか大きな決断だったので、退職&移住することにした理由をここにまとめておく。

僕が退職&移住した理由は大きく2つ。

一つ目は、今の企業のサステナビリティ経営を推進する仕事をこのまま続けたかったから。二つ目は、もっと自分の住む地域の人と自然とつながる暮らしがしたかったからである。
今の会社での僕の仕事は、全国転勤&ジョブローテーション制度を前提としたもののため、上記のような働き方&暮らし方を実現するためには退職&移住するしかなかった。

そしてなぜ今、退職&移住することにしたのか。これも理由は2つ。
それはコロナ禍影響により、今まではフリーランスやプログラマー、投資家などの一部の人の特権であったフルリモートでの働き方が、企業によっては、私のような普通の事務系会社員でもできるようになったこと。
そして、今の職場で3年間サステナビリティの仕事で実績を積み、同じ職種での転職の見込みができたことである。

これらを叶えるには、「サステナビリティの職種」×「フルリモート」という数少ない求人とマッチする必要があったが、そこはご縁もあり、今回何とか志望していた企業の内定をもらうことができた。

ー-------------------------------

ちなみに移住先として広島・尾道を選んだ理由は以下の通り。よく聞かれるので備忘のために残しておく。

①気の置けない友人が広島に移住していたこと
②妻の出身地が広島県福山市(尾道市の隣の市)であり、妻の両親や友人が近くにいること
③母曰く、僕は村上海賊の末裔であり、村上海賊は尾道市の因島とゆかりがあること
④将来的に子育てをする際、妻の両親のサポートを得やすいこと
⑤気候が穏やかなこと
⑥山や海があり、自然が豊かなこと
⑦古きよきを愛する人やお店が多いこと
⑧毎年移住者が一定数以上いること
⑨地域コミュニティが大きすぎず、小さすぎないこと
⑩しまなみサイクリングの出発点であること

ー-------------------------------

ここからは、なぜ企業のサステナビリティ経営推進の仕事を続けたいのか、自分の住む地域の人と自然とつながる暮らしがしたいのかについて。

僕は学生の頃から今に至るまで、ずっと企業のサステナビリティ経営(事業の成長と世の中の持続可能性の向上を同時に目指す経営)に強い関心を持っている。社会への影響の大きいビジネスが変わらなければ、世の中のゆがみがどんどん大きくなってしまうという危機感を持っているからである。今の会社では、経理財務を5年経験したのち、公募でサステナビリティ経営を推進する部署に異動、今まで3年間やりがいをもって働くことができた。この経験を通して、サステナビリティ経営のモデルをアップデートし続け、世の中に浸透させることができれば、世の中を少しずついい方向に向けていけるという感覚をより強く持てるようになり、自分はこの領域で責任を果たしていきたいと思うようになった。

自分の住む地域の人と自然とつながる暮らしがしたい理由は、ここ数年で地域に根差すことで得られる人や自然との豊かな関係があると知ったから。ぼくは逗子に住む友人と数年前にテントサウナを購入し、逗子海岸で定期的にアウトドアサウナを楽しんでいた。そんな中、逗子に住む友人が「逗子サウナ倶楽部」を立ち上げ、逗子に住む人たちとサウナを通じて定期的に交流するようになった。そこで出会う人たちは、逗子が好きで、海が好きで、オープンな人たちばかり。そういった共通の価値観をもった人たちと自然の中で遊ぶ機会を重ねるうちに、地域の人と自然とつながる暮らしはとても豊かで楽しいなと思うようになった。

ー-------------------------------

以上が退職&移住した理由だが、根源的な動機は「普通の会社員だって、もっと自由に働き暮らしたっていいじゃないか!」というある種モヤモヤや怒りに近いものだったのかもしれない。ここからは、今回退職&移住をするにあたり、強く思っていたことについて書き残しておきたい。

会社員は雇用契約に則り、色々な制約の中で会社の成長に繋がる成果を出すことが優先される。対価をもらう以上は当然のことだが、少なくとも多くの会社で採用されている全国転勤&ジョブローテーション制度については見直しの余地があると僕は思う。これらは、僕だけでなく、多くの若い人たちの価値観に合わなくなっていると感じるからである。
(念のため断っておくが、僕は全国転勤・ジョブローテーション制度ありを認識の上で入社しており、今の会社に全く不満はない)

そもそも全国転勤・ジョブローテーション制度は、高度経済成長期の下、会社が成長を続け、給与も上がり続ける会社に勤め続けたい個人と、終身雇用を前提としいろんな部署や場所で多様な経験をさせ、ジェネラリストを育てたい会社のニーズがマッチし、浸透してきた制度のはずである。

ただ、平成元年生まれの僕が生きたこれまでは失われた30年ともいわれ、好景気による給与水準アップやインフレもない時代である(今は円安により望まぬインフレになっているが)。会社の成長に自分の成長を重ね合わせるというよりは、自分のライフスタイルや価値観が、会社の理念や働き方と合っているかを気にする同世代が多いように思う。

そんな中においては、自分が望む仕事・暮らしを会社に依存せず自分自身で考えなければならないため、自分で仕事や落ち着いて住む場所も選べないこれらの制度は、時代にマッチしていないのではないだろうか。

自分が果たしたいと思う責任を果たし、対価をもらうことが仕事をすることだとするなら、価値観の変化に応じて、果たしたい責任の内容や大きさは変わっていくものだし、ライフステージに応じて理想の暮らし方も変わり、それが会社の制約の中で実現できなくなることもきっとある。

会社員という制約の中でも、各人がより自分(又は家族を含む自分たち)に由った働き方・暮らし方を考え、小さくとも実践する。つまり、「自分の仕事」「自分の暮らし」をすることが、仕事の成果や日々の暮らしから得る喜びに繋がり、社会が豊かさを得る。僕は、そんな風景を本当に見たいし、自分もその一端で働き、暮らし、生きていきたい。





この記事が参加している募集

#退職エントリ

2,467件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?