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【無料公開】 セットプレーにおけるGK:チームを勝利へと導くアドバイス

【AFOPROとは】

セットプレーにおけるGKというのは、どんな成功を収めているチームにおいても非常に重要な一部と言えるでしょう。足元のプレーに優れ、適切なボールの配給ができ、相手のシュートを止め、1対1のスペシャリストであり、センタリングやロングボールへの対応に安心感が持て、当然コミュニケーション能力も求められる必要があります。同様に、現代のGKの役割において重要となるのは自チーム選手たちを組織化させる能力です。これにはあなたの考えている以上のことが存在するでしょう。監督やコーチングスタッフによって事前に決められた戦略により、選手たちに対し特定の相手のマークを割り当て、誰が誰のマークをするのか、どのようにマークをするのか(マンツーマン、ミックス、ゾーン)を指示します。
FKやさまざまなセットプレーに対応するには、GKは次のことを考慮する必要があります:壁は必要か?もし必要であれば選手を何枚設定する必要があるか?一部のGKは壁を設定しない場合(キッカーとの距離を考慮した上で)それを置く必要はなく、この場合それは普通ではなくともその必要性はないでしょう。我々はGKの確信を尊重する必要があり、もし彼が壁は必要なくボールを止めることができると思うのであれば、それは彼の決断です。我々、指導者はアドバイスすることしかできず、決してそれを課すことはありません。課すこととは、GKの士気を損なうことを意味し、さらに悪いことに彼が望んでいない状況下の不安を呼び起こすこととなります。

GKは自身の持ち場(スペース)を確保するために、ディフェンスラインを維持する場所を決断する必要もあります。ここでは、CK(ペナルティースポットからのゾーンマーク、自ゾーンから出て行く相手へのマンツーマンマークなど)とサイドからのFK(ラインを高く、ラインをエリアの高さに設定)の両方のラインについて説明します。ラインは後退する傾向にあるので、選手たちの初期設定は少しでもより高くさせることができます。ゴールから遠ざかるほどGKが出て行く可能性は低くなり、ゴールに近くなるほど出て行く可能性は高くなります。自チームのGKの空中のボールへの対応を評価した上で、セットプレーにおけるディフェンスラインをどの高さをどのように設定するのかを決断します。

GKが考慮すべきいくつかの考慮点もあります。それらは以下のようになります:

・壁は必要か?
・何枚設定するか?
・壁をジャンプさせるか否か?
間接FKと直接FKの特徴を考慮した守備の配置となっているか?
・ターゲットとなる相手がどこに配置しているか(最も危険な相手は誰か)?
・マンマーク、ミックス、ゾーンのどの種類のマークを採用するのか?

GK、コーチングスタッフ、また監督がこれらを明確にしGKコーチとともに合意する必要があります。また、シーズン中を通し発生する可能性のある各相手チームの変化を評価します:高さに弱いチーム、空中戦におけるフィジカルコンタクトに危険性を秘めているチームなど。各相手チームそれぞれなのでこれらは閉鎖的なものではなく、変化に対して対応できるものであるべきです。しかし、GKが各バリエーションでどのように行動するのかを暗記する必要はありません。対戦相手を分析したり、対戦中にその相手の能力をみた上で、前出の考慮点に基づいて、彼らを前にGKがどのように行動するのかを思い出させるだけで十分です。

CKを守備する場合に留意すべき考慮事項は以下のようになります:

CKのボールの軌道はゴールへと向かってくるのか、それともゴールから逸れて行くのか?
・ニア、ファーポストに選手を配置する必要はあるのか?
・どの選手がどこに何故行くのか?誰がショートコーナーに対応するのか?誰がこぼれ球を狙う相手に対応するのか?また誰がカウンターアタックに備えてセンターライン付近に配置しているのか?
自チームがCKを行なっている場合でも、GKはディフェンスライン、または相手に対する監視役を配置する必要があります。

我々はセットプレーの状況においてはGKに対して特別な重要性を与えなければなりません。また、どのように攻撃をし、どのように守備をするのかだけに焦点を合わせないでください。前出のすべての考慮点を明確すると、それらのおかげで勝ち点を獲得でき、もちろん失点も減るでしょう。GKが確信を持って仕事をしていないと、セットプレーに長けた素晴らしいチームは完成しません。

(2020.02.10:スペイン語オリジナル版発行)



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