夢幻(ムゲンのi)の世界(10-50)
雪も降ったりしたので、読書にぴったりの1日。
今日読み終えたのは知念実希人氏の今回本屋大賞候補作品。
眠りから醒めない謎の病気〈特発性嗜眠症候群〉通称イレスという難病の患者を3人も同時に抱え、識名愛衣は戸惑っていた。
霊能力者である祖母の助言により、患者を目醒めさせるには、魂の救済〈マブイグミ〉をするしか方法はないと知る。
愛衣は祖母から受け継いだ力を使って患者の夢の世界に飛び込み、魂の分身〈うさぎ猫のククル〉と一緒にマブイグミに挑む――。(Amazon内容紹介より)
次々とマブイグミを成功させる識名愛衣は、次第に、患者のトラウマが都内西部で頻発する猟奇殺人と関係があることに気付く。しかも、その事件は23年前の少年Xによる通り魔殺人とも繋がっていた。愛衣は難事件の真相究明に立ち向かう。(Amazon内容紹介より)
「崩れる脳を抱きしめて」「ひとつむぎの手」と、2年連続本屋大賞ノミネートされたの著者の最新作です。
今までは医療ミステリーであることが前面に出た作品でしたが、本作は確かに主人公はお医者様ですが、同時に患者でもあります。
題名をうまく表現しているのが、クライマックスでわかるという仕掛けになっているのは面白いと思いました。さらに事件と難病を組み合わせたところもうまいなと思います。
沖縄ご出身ということで、琉球の心も難病、事件を解く鍵にしておられたのところも素敵です。もちろん愛猫ハリーさんを偲んでおられることも。
ミステリーなのであまり内容を深く書けませんが、私の場合、上巻の終わり頃からスピードが加速され、下巻を一気に読むといった感じで読み切りました。
本屋大賞候補3度目で大賞受賞できるのか、少し不安な感じもありますが、書店員さん、図書館司書さん、著者の作品のファンも多いようなので、受賞できるといいですね。
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