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類(50-50)

今週の天気予報は雪マークが並んでいて、今日も積雪を心配していますが、今のところ屋根に残る程度で助かっています。しかし安心はできません。

さて今年最後の本はこちらの作品です。

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明治44年、文豪・森鴎外の末子として誕生した類。優しい父と美しい母志げ、姉の茉莉、杏奴と千駄木の大きな屋敷で何不自由なく暮らしていた。大正11年に父が亡くなり、生活は一変。大きな喪失を抱えながら、自らの道を模索する類は、杏奴とともに画業を志しパリへ遊学。帰国後に母を看取り、やがて、画家・安宅安五郎の娘と結婚。明るい未来が開けるはずが、戦争によって財産が失われ困窮していく。昭和26年、心機一転を図り東京・千駄木で書店を開業。忙しない日々のなか、身を削り挑んだ文筆の道で才能を認められていくが……。明治、大正、昭和、平成。時代の荒波に大きく揺さぶられながら、自らの生と格闘し続けた生涯が鮮やかによみがえる圧巻の長編小説。(Amazon内容紹介)

今月最後の作品は504ページにも及ぶ長編小説で、実在の人物を描いた朝井まかて氏の力作です。

「何も望まず、何も達しようとせず、質素にひっそりと暮らしている」

という主人公・類の本当の夢。偉人の子として生まれながらも、父のように生きることは出来なかった晩年の高望みすることなく生きていこうという類の姿勢には共感できるものを感じました。

偉人や天才、努力家のサクセスストーリーもいいですが、このような凡人に近い人の苦悩の人生も深い味わいがありました。

とにかくこういう長編を読む気力が残っていた我を褒めたいと思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。
田舎町の図書館は、年末年始のお休みを含めシステムの更新作業もあって、2週間の閉館を実施することになっています。
私はこの長い閉館を利用して畠中恵氏のしゃばけシリーズを最初から最新刊まで読み倒そうと計画しました。ということで最初にも申し上げましたが、今年の読書感想はこれが最後となります。

noteの更新は続けたいと思っていますので、どうかお付き合いの程よろしくお願いします。寒さが厳しくなります。どうかご自愛ください。

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いつも読んでいただき、ありがとうございます。これからも励みますね。