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ミドリのミ(5-50)

おはようございます。久しぶりの早起き。早速note書きます(笑)

昨夜も初読みの作家、吉川トリコ氏の作品を読み終えました。とても明るい色調ながら、私にはとても難しいテーマを扱った作品でした。

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重田ミドリ、小学3年生。住み慣れた街を離れて父・広の新しい恋人―平野源三―の家に転がりこんだ。そんな事実を受け入れられないミドリの母・貴美子。だから離婚話もなかなか進まない。でも進まない理由はそれだけではなく―。よのなかにあふれる“ふつう”からほんの少し外れたところにいるミドリたち。口に出してしまったら、何かが変わってしまう、何かが壊れてしまう、そんなおそれを抱きながら生きる彼らに訪れた、幸せの結末とは。(「BOOK」データベースより)

文庫の解説は先般直木賞を受賞した大島真寿美氏で、小説の核を解説が全て語っています。

日本人が昔からよく言われる「普通」であることに、主人公ミドリの家族という大人はかけ離れています。そのために彼らは全て傷つき、傷つけあっているように見えます。

そして周囲の世間という名の大人も無意識に傷つけられ、他人を傷つけていることをサラッとこの物語は語っているのです。

この作品の凄さ、怖さを目の前に、あまりに簡単な感想しか書けないのが、もどかしいくらい素敵な作品です。

最後に「ミドリのキが大きくなるように、私たちの世界も大きく、広くなっていることを夢みる」と大島氏が解説に書いていて、とても嬉しい気持ちになっています。まさにそれは私たち夫婦が愚息たちに対して思いを込めてつけた名前だから。




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