うちの父が運転をやめません(26-50)

夫がゴルフに出かけ、一人のんびりと過ごす日曜日の朝です。皆さんいかがお過ごしでしょうか?

昨日読んだ本「うちの父が運転をやめません」は、まさに高齢者の運転が色々と問題になる中、ご時世をうまく小説化する垣谷美雨氏の作品です。

実は私も先日安全装備のついた新車を買ってもらいました。

田舎町に住んでいますと、自分たちだけでなく高齢者の家族がいれば買い物だけでなく通院にも自家用車は必須だからです。

そこをどううまく小説化されたのか興味深く読みました。

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「また高齢ドライバーの事故かよ」。猪狩雅志はテレビニュースに目を向けた。そして気づく。「78歳っていえば…」。雅志の父親も同じ歳になるのだ。「うちの親父に限って」とは思うものの、妻の歩美と話しているうちに不安になってきた。それもあって夏に息子の息吹と帰省したとき、父親に運転をやめるよう説得を試みるが、あえなく不首尾に。通販の利用や都会暮らしのトライアル、様々な提案をするがいずれも失敗。そのうち、雅志自身も自分の将来が気になり出して…。果たして父は運転をやめるのか、雅志の出した答えとは?心温まる家族小説!(「BOOK」データベースより)

我が家の義母も実母も運転できないので、「やめるように説得する」必要はありません。そこはありがたいのですが、田舎町の不便さは痛烈に感じていて、この小説にもその辺りがよく表現されていました。

また私たちの世代はやはり親から受け継いだもの、介護等があってで決して都会の生活を嫌っていたわけではありません。むしろ今でも憧れが強いです。

今まで気づかないふりをしていた「やりがい」などという青臭い思いが、ここ数日でむくむくと頭をもたげ、心を揺さぶるようになってしまった。p80

実は住む場所がどこであれ、自分がやりたいことをやってみることができる場所があるということが大切なのだと感じます。

こちらでも少しづつ広がりつつある移動スーパーを主人公雅志が始めることで、彼自身も周りも変化していくところが家族小説なんですね。

物語はハッピーエンドに向かっています。けれど(小説に非はないですが)地方の田舎をもっと知っていただきたいです。自然に囲まれた良さだけではこれから生きていくのはかなり厳しい現実があるからです。

そんなふうに自分たちの暮らしと照らし合わせながら読むことができた作品でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今日1日穏やかに有意義にお過ごしくださいね。

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