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遺言、白蟻女(11-50)

朝方まで降っていた雨も止み、気持ちの良い朝です。溜まっていた洗濯を終え、PCに向かっています。

このところ気分の落ち込み、ざわつき、頭痛に悩まされることが多いので、秋が深まって読書に最適ですが、少しペースを落とそうと思ったのですが、予約した冊数の少ないことを慮ってか、図書館司書さんが図書館新着図書を勧めてくださいました。

昨夜その1冊を読み終えたのが、「ボダ子」以来の赤松利市氏の作品です。

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「遺言」余命幾ばくもないお婆さんは、娘の咲子への遺言をレコードに吹き込むことにした。ところが、ご近所連中の悪口をまくし立てるばかりで一向に本題に入らない。録音時間はあとわずか。娘に伝えたいこととはいったい?
「白蟻女」長く苦楽を共にした夫の通夜、夜伽する妻・恵子の前に現れた、ちょっと間の抜けた若い女の幽霊。「思い出をめちゃめちゃにしてやる」と彼女が口にした途端、なんと恵子は新婚旅行の日に戻っていた。しかも当時の姿で!反発しながらも賑やかに過去を辿る彼女たち。そして、回想の先に待つ奇跡とは?
(「BOOK」データベースより)

「遺言」という短編と、「白蟻女」という中編が収められた本作は、著者が意図的に方言を多用しているので、特に「遺言」は当初読みにくいなと感じました。しかし、読み進めていくと、遺言を残そうとしておられるおばあさんは、高齢で昔かたぎ、老人特有の悪口の中に、私たち日本人が忘れかけている近所付き合いを通しての人との関わり方を語っている温かさに気づかされます。

また「白蟻女」は、夫の通夜で夜伽をする妻の前に現れた若い女の幽霊の出現で、妻は過ぎ去った夫婦の過去を思い起こし、今の幸せを改めて感じることが出来るという、ひねりがありつつもここにも家族のあり方の難しさ、ありがたさなどがじんわりとやってくる作品でした。

私だけでは題名でも、装丁でも、帯を読んでも、きっと手に取ることがなかったであろうこういう作品に出会えるのが、図書館の良さですね。

気になるなと感じられたら、是非手に取ってみてください。田舎町ってこんな感じなんです。

10月に入りました。今月は家族の誕生日の多い月です。だからといって予定が多いというわけではありませんが。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日という1日があなたにとってかけがえのない1日となりますように。

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