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熱源(12-50)

こちら珍しく快晴の祝日です。朝から洗濯に追われていました。太陽はこの時期にとても貴重です。特に冬は日照時間が少ない田舎町なので。

夫はこの天気に誘われ、いそいそゴルフに出かけました。

さて連日映画の話題が続きましたが、今日は借りていた本の最終、第162回直木賞受賞した川越宗一氏の作品です。

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樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。開拓使たちに故郷を奪われ、集団移住を強いられたのち、天然痘やコレラの流行で妻や多くの友人たちを亡くした彼は、やがて山辺安之助と名前を変え、ふたたび樺太に戻ることを志す。一方、ブロニスワフ・ピウスツキは、リトアニアに生まれた。ロシアの強烈な同化政策により母語であるポーランド語を話すことも許されなかった彼は、皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、苦役囚として樺太に送られる。
日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになったポーランド人。文明を押し付けられ、それによってアイデンティティを揺るがされた経験を持つ二人が、樺太で出会い、自らが守り継ぎたいものの正体に辿り着く。(Amazon内容紹介抜粋)

川越氏の作品は初めてだし、受賞されたニュースで、作品のテーマが民族のアイディンティ(生きた証ともいうのか)と聞き、実は読む前から苦手意識を持っていました。さらには426ページの長編です。ぐっと覚悟をして読み進めました。

読み終えれば、登場人物の緻密な描写で民族とは何かを考えされ、アイヌと東欧の民族問題と気がつけばとても壮大な物語でした。

日本では同和問題、北朝鮮拉致問題、ハンセン病差別問題などの人権問題はかなり大きく取り上げられていますが、北、南の先住民族に対する人権問題を最近は大きく取り上げることがないように感じます。

読後の感想に心地よさを感じられたと書かれている方もありましたが、この物語によって100年前の姿を目の当たりにして、読みながら私自分自身とても恥ずかしい気持ちを持ちました。民族問題に対しての自分の関心の浅さを実感したからだと思います。

読後の感想も色々あり、深く考えさせられるフィクションはやはり傑作と言えるのでしょう。文学賞にふさわしいと思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。

最近このnoteでも、私のAmebaブログでも書く内容より、書くことに目的が移っていて、どうかなという意見を少しづつ見かけます。

私は2019年やっとAmebaブログで1年連続投稿を達成、現在も投稿を続けています。記事は重なりますが、このnoteでも200記事連続投稿を超えました。

当初noteを書く目的として、書く文章を充実したいということでした。気持ちはいまだに変わりません。しかし私も持病があり、高齢の親もいますのでいつも万全な文章が書けないのも事実です。

どうか当面は365日連続投稿を軸に、皆さんに読んでもらえる記事を書きたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。

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