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この恋は世界でいちばん美しい雨(23-50)

今週は雨が降ったり止んだりとまさに梅雨らしい日々が続いています。生き物には必要な雨ですが、それも過剰だと困り物です。

大雨での被害はまだまだ続き、予断を許さない状況ですね。どうか皆様もお気をつけください。

私もこの天候に体調が今ひとつの日もありますが、7月に入って、週に3日ジムに行くように気をつけています。身体を動かすことで睡眠を深くしたいからです。

それ以外はほとんど読書かSNS、夫とTV視聴で日々を過ごしています。

昨日読み終えたのは脚本家でもある宇山佳祐氏の作品です。

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駆け出しの建築家・誠と、カフェで働く日菜。雨がきっかけで恋に落ちた二人は、鎌倉の海辺の街で愛にあふれた同棲生活を送っていた。しかし、ある雨の日、バイク事故で瀕死の重傷を負ってしまう。目を覚ました彼らの前に、“案内人”と名乗る喪服姿の男女が現れる。そして誠と日菜は、二人合わせて二十年の余命を授かり、生き返ることになるのだが、それは、互いの命を奪い合うという、あまりにも苛酷で切ない日々のはじまりだった―。『桜のような僕の恋人』の著者が贈る、胸打つ長編小説。
(「BOOK」データベースより)

新人建築家の雨宮誠、カフェ「レインドロップス」店員の相澤日菜は、和泉式部の

おほかたに さみだるるとや 思ふらむ 君恋ひわたる 今日のながめを

に読まれている雨「恋の涙」をきっかけに知り合い、恋に落ち、そして、悲しい別れをする物語です。

雨をキーワードに2人は奇跡の余命を与えられた代わりにライフシェアリングという過酷な運命を背をわされてしまうのですが、愛とは愛する人の幸せを考えることなのだと、彼らや、彼らを取り巻く人々から教えられ、究極の選択をしてしまうという、悲しい物語でもありました。

著者の作品では最近TVで放映された映画「今夜、ロマンス劇場で」を観たこともあり、悲恋なのだと予測はしていました。

現代の若者の恋愛に、平安期の和歌がモチーフとして使われた点にシニアの私も素敵だと素直に思います。

さらに物語以外に建築への思い、家具への思い等作り出すというお仕事への憧れにも想いを馳せることができました。

誠が崇拝する建築家真壁哲平が

「結局この世界はまだまだ気合いと根性なんだよ」p182

と語った時には、日本の職人気質はまだ続いているんだなって苦笑しました。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。今朝は早起きして次の本を読み始めました。明日にはお話しできると思います。

週も後半木曜日、有意義な1日をお過ごしください。



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