オリーヴ・キタリッジの生活(15-50)
やっと雪が落ち着いて、少し気温が上がってきた水曜日です。太陽って本当にありがたいです。
先日お話ししたエリザベス・ストラウとの作品を読み終えました。ちょっと苦戦したのには訳がありました。読み終わってやっと理解しました。
アメリカ北東部にある小さな港町クロズビー。一見何も起こらない町の暮らしだが、人々の心にはまれに嵐も吹き荒れて、いつまでも癒えない傷痕を残していく―。住人のひとりオリーヴ・キタリッジは、繊細で、気分屋で、傍若無人。その言動が生む波紋は、ときに激しく、ときにひそやかに周囲に広がっていく。人生の苦しみや喜び、後悔や希望を静かな筆致で描き上げ、ピュリッツァー賞に輝いた連作短篇集。(「BOOK」データベースより)
エリザベス・ストラウトのピュリッツァー賞受賞作品です。米国ではすでに続編も出版されていて、オプラ・ウインフリーが絶賛、自身の番組でも著者をゲストにその作品も含め魅力を紹介していました。
舞台は小さな港町、まさに私が住む田舎町のようなのですが、そこに住む人々の暮らしぶりが、オリーヴ・キタリッジの視点から描かれたり、時には住民がオリーヴを見ることで町の側面が描かれたりと、連作短編ですが視点の交代で町全体を見渡す感覚で読む作品です。
原題が「オリーヴ・キタリッジ」となっているだけに、中心はオリーヴで、彼女は作品の中で中年から最後は74歳の未亡人となる、中高年の文学ということが大きなポイントでした。
決して心地よい物語ではないけれど、女性として幾度か、いつかは経験するであろう曲がり角を見事に描いているこの作品に、読後シニアの私はズシンと重いものを乗せられたような感覚を味わっています。
世代を超えて多くの女性に読んでいただき、今後の生活を設計する上で考えたり、また今の自分を振り返っていただくのも良いかなと思います。
今日も読んでいただき、ありがとうございます。
こうして紹介した本が何かしらあなたの糧になることを願っています。
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