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あなたが子供だった頃、わたしはもう大人だった(14-50)

おはようございます。今日から7月。雨の水曜日です。

いよいよ先日図書館から借りてきた4冊の本の最後の本を読み終えました。

Amebaブログのブロガーで、最近はInstagramでの投稿が多い​​​​​​​aysureさんが紹介されていて読み始めた作品です。

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坂の上り口の桜の老木がある家、列車目がけて石を投げた橋、清掃工場の四角い建物から不安定にそびえた煙突、ボルサリーノを巻き込んだまま走り抜けた列車、網棚に置き去られた赤ん坊、山岳部の再興を託された新米英語教師、写真部で購入した8ミリカメラ。小説の時間と現実の時間がまざりあう、著者初の書き下ろし長篇。(「BOOK」データベースより)
「若い頃の1年なんてなんでもないのに」
「掘っておいても1ねんはたつのです。若い人は。あなたもわたしもそうだったの」p62

主人公 平山とひとまわり上の妻ユキコ。平山は夫婦2人で郊外の坂の上の一軒家に住み、お互いをいたわり合うように、昔話をしたり、老化という現実に向かいながら過ごしています。

物語はその2人の回想や、現実を行き来しながら進んでいきます。

平山は私の少し上ですが、生きてきた時代にあまり差を感じません。また、学生時代のエピソードなどは私の頃にもよく聞いた話なので、とても身近に感じました。

ひとまわり上のユキコさんは、いつもは口に出しませんが、時折事件(らしきもの)があると夫との年齢差で、夫に迷惑をかけるかもと告げます。そのあたりが私もそういう夫婦を知っているので心が痛みました。

著者の川崎徹氏はCMでレクターとして活躍されていて、この作品が初の書き下ろし長編です。

読みどころはやはり夫婦の会話です。さすが映像の世界の方らしく、言葉で人物が現れてくるので不思議ですね。



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