女性の敵は女性なのか?あきない世傳金と銀(九)淵泉篇(28-50)
祝日明けの水曜日、ちょっと調子が狂いそうですが、皆さん大丈夫ですか?私も昨日までは恐々としていましたが、思い切ってファンヒーターを出したら落ち着きました(苦笑)
昨夜はこちらも続編を待っていた高田郁氏の書き下ろし時代小説を読み終えました。
大坂から江戸に出店して四年目、まさにこれから、という矢先、呉服太物商の五鈴屋は、店主幸の妹、結により厳しい事態に追い込まれる。形彫師の機転によりその危機を脱したかと思いきや、今度は商いの存亡にかかわる最大の困難が待ち受けていた。だが、五鈴屋の主従は絶望の淵に突き落とされながらも、こんこんと湧き上がる泉のように知恵を絞り、新たなる夢を育んでいく。商道を究めることを縦糸に、折々の人間模様を緯糸に、織りなされていく江戸時代中期の商家の物語。話題沸騰の大人気シリーズ第九弾!!(「BOOK」データベースより)
とにかく今回の高田郁氏の時代小説は主人公をこれでもかというくらい追い込んでいくストーリーが繰り返される作品です。
日本のみならず女性の地位はなかなか確立されませんでしたから、江戸時代に確固たる地位で活躍するには相当の覚悟と才能が必要です。
呉服商という一見華やかな商売も男子優位は変わらず、扱う品や反物の柄、商売の仕方等の工夫によって、主人公幸は夫との薄い縁に負けることなく、立ち向かってるのですが、今回は身内である、妹の反撃という思わぬ苦労がやってきます。
著者は貧しい境遇から協力しあってきた姉妹でも色恋沙汰によってこんなにも脆く、むしろ冷たい関係になることを描いています。
兄弟姉妹のない私にはきっと理解できない心情があるのだと推察しますが、姉妹でなくとも女性どうし仕事で苦労したことがあるので、性的な部分も否めないかもしれません。気持ちを切り替えた主人公にさらなる商売の存続に関わる大波が来て、ここまでやるのか?と思っていると大切な人の縁が登場してくるのが憎いですね。
文庫による書き下ろし時代小説はまだまだ続きます。
人の縁によって商売は持ち直すのか?女主人公の知恵がどこまで発揮されるのか?そして活躍も示唆されたある女性の今後も楽しみです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日という日があなたにとってかけがえのない1日となりますように。
昨夜「おげんさんといっしょ」で松重豊さん扮する豊豊さんが紹介していたJacob Collierのアルバムがバックミュージックでした。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。これからも励みますね。