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世界のモンスターの歴史(2023年10月31日)

※2023年10月31日に開催したイベントのレポートです。

伝承から物語、都市伝説まで、さまざまな形で生まれてきた”モンスター”。

その多様な起源を教えてくれるのは、ニッチビジネス専門総合商社の代表であり、オカルト総合誌『月刊ムー』の公式アンバサダーでもある河野伸樹さん。

日本に100人といない、過去一度だけ実施された「ムー検定」の合格証明書をもつ人物です。

ときは奇しくも10月31日。ハロウィンの夜にふさわしい、モンスターの歴史が語られます。

モンスターの大先輩「ターリーモンスター」って?

「モンスターの元祖は、タリモンストラムグレガリウム先輩。3億年以上前、現在の米イリノイ州周辺の海を泳ぎ回っていた、体長15~30センチほどの生物です」

予想外のサイズ感に、ギャラリーからは「ちっちゃ!」「なんだ~」の声が。

「なぁんだ、と思うじゃないですか」と、河野さん。

実は、長く脊柱動物とされてきたこの生物、あるとき無脊椎動物であると判明したのだそうです。

「ということは、ダイオウイカくらいデカくなることがあるらしいぞ、ということがわかったんです。最近では、こいつが大きくなって生き残ったのがネッシーなんじゃないかと言う説が浮上しているんですよ」

世界で最も有名な未確認生物のひとつ、「ネス湖の怪物」の起源となれば、確かにモンスターの大先輩です!


いらすとやにある、ターリーモンスターの素材。誰がいつ、なんのために使うのか。

三大有名モンスターの始まりをひも解く

続いては、お馴染み「フランケンシュタイン」「ドラキュラ」「狼男」の歴史について。

フランケンシュタイン

フランケンシュタインは小説から生まれたモンスターです。

その名は怪物のものではなく、実は彼を生み出した博士のもの。近年ではこの博士を主人公にした映画もつくられています。

ちなみにプロレス技の”フランケンシュタイナー”は、技を編み出したスコット・スタイナーのニックネームが「フランケンシュタイン」であったことから名付けられたのだとか。

ドラキュラ

こちらの起源は実在の人物。19世紀ルーマニアの国王、ヴラド3世です。

串刺しなどの残虐な処刑を行ったことから、吸血鬼ドラキュラのモデルとなりました。

ただ、本国ルーマニアでは、オスマン帝国から国を守った英雄として称えられているとのこと。

「ルーマニアという国はちょっと特殊で、魔女が正式に職業として認められているんです」

河野さんの豆知識にびっくり!

ルーマニアの魔女は天気予報を一定数外すと免許を取り上げられたり、16%の所得税を課せられたりと、なかなかのリアルな存在感のようです。

狼男

「狼男の歴史は古くて、かの有名なヘロドトス(ギリシャの歴史家)が、年に一度狼男になる部族のことを書き残しています」

その部族とは、現在のベラルーシ周辺で暮らしていたネウロイ人。

「しかも、狼男になるための薬草があって、それを食うと1年に1度、暴れまくってすっきりするという。満月じゃないんですよ。薬草、ドラッグで変身しちゃうんですね」

日本発、都市伝説由来の「ババアシリーズ」モンスター

日本には○○ババア、と呼ばれる、老婆の姿をした怪異が複数存在します。

そのひとつが”100キロババア”。猛スピードで走る老婆で、彼女に追い抜かれると不幸になると言われています。

「目撃事例が出始めた当時、公道で100キロを飛ばす車はなかった。だから100キロで走る老婆は怖かったんですね」

しかし、現在は車の性能はあがり、最高速度も更新。すると、どういったことが起こるのか。

「ババアも進化します。現在は推定140kmのターボババアがいるんですが、次の段階のマッハババアや1000キロババアまで用意されています」

そんな100キロババアですが、本人には「人間を不幸にしてやろう」などの悪意はないとのこと。

おそらく「ただ散歩しているだけ」だそうで、なんだかちょっとチャーミングですね。

「そんなところから?」世界で生まれ続けるモンスターたち

まだまだ世界中にいるモンスター。オカルト一大ジャンルの、あらゆる分野から生み出されています。

たとえばSF界なら「フラットウッズモンスター」。1952年にエストバージニア州で目撃された、宇宙人のイラストから生まれました。

「あまりにも強烈なビジュアルなので、オタクたちの心を鷲掴みにしてしまって、フィギュア化もされているんですよ」


フラットウッズモンスターも、いらすとやに存在。

都市伝説界では、ネット上で噂される”怖い話”、「クリーピーパスタ」出身のモンスターが。

クリーピーとは、コピー&ペーストがなまったもの。ネット上の怖い話・奇妙な話はコピペの繰り返しで広まるため、こう呼ばれています。

アメリカの「スレンダーマン」(子どもを連れ去るのっぺらぼう)や「ブラックアイドキッズ」(白目のない、真っ黒な目の子ども)はクリーピーパスタから生まれました。

さらには、モンスターを神とする宗教まで存在するそう!

もじゃもじゃの麺類のような見た目の神を信仰する「空飛ぶスパゲティモンスター教」は、インテリジェントデザイン説の亜種として生まれました。

驚きなのがこのフライングスパゲティ教、複数の国で正式に宗教として認められていること。

 ニュージーランドでは、この宗教に基づいた結婚式まで挙げられているのだから驚きです。

離島にもいた…八丈島のモンスター!?

最後に、河野さんが1枚の写真を見せてくれました。

「僕の妹が八丈島のホタル水路の先にある心霊スポットで撮影した動画の切り抜きです」

暗闇の中、浮き上がっているのは…ヒトの目と手らしきもの。なんと、本物の怪奇現象…!?

騒然とする中、「この画像、あとから真相がわかったんですよ」と囁く河野さん。

そう、実際はこの手の正体、妹さんのお友達のひとり。

「ひとり遅刻してきたひとが、驚かそうと思って暗闇に乗じて握りっ屁をしたんです笑。その手がたまたま映ったんですね」

まさかのオチで、笑いに包まれる店内。

「本当に怖いのは人間なのかもしれません」と、河野さんも茶目っ気たっぷりに締めくくりました。

世界中にいる数多のモンスターたちも、真相は案外拍子抜けなのかも?

でも、中にはもしかしたら、人間を恐怖に陥れる本物の怪物がいるのかもしれません…。





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