とらわれるから…【詩作品】

　諸行無常、諸法無我、涅槃寂静　

　　結廬在人境　　而無車馬喧　
　問君何能爾　　心遠地自偏
　採菊東籬下　　悠然見南山
　山気日夕佳　　飛鳥相與還
　此中有真意　　欲辨已忘言

ー　◇　ー

どんな喧騒の街中に住んでいても私は、
｜他人≪ひと≫に煩わされることはないよ。

「そんなことは不可能だ」と君は言うが
心の持ちようで、どうにでもなるんだよ。

君も心の命ずるまま、
好きな事をする時間を持ちなさい。
そうして周りを見回すと良い。

すべての良い一面だけが見えて来るよ。
すべてが君と私との関係に帰する事が分かるよ。

これは悟りなんだけど、
言葉では伝わらないんだ。

陶淵明　飲酒 其の五

昔、パスカルさんが、
私の頭の中に
世界が入っていると言った。

どんなものも、すべて
それについて考えた瞬間、
それは私の頭の中に在る。

言ってることが、わかるかい？

すべてがわたしの中にある、
きみもまた、わたしの中にある、
わたしがきみをどのように考えるかによって、
きみの存在が変るのだ。

たとえきみが
どんなにわたしを苦しめていようと、
わたしの中のきみを外してしまえば、もう
きみはわたしに何もできない。

｜他人≪ひと≫に煩わされているのは、
わたしときみとの関係を
正しく見ていないからなのだ。

そのことに気づいたとき、
すべての人間関係から生じる問題は
君の中に収まってしまうほどの
ほんの小さなものであるかが分かるだろう。

君は、君の人生の主人公なのだ。
君の人生を司る者は、君自身だ。

｜他人≪ひと≫に自分の人生を縛られている
そんなことは妄想に過ぎないのだ。
｜他人≪ひと≫に縛られる理由など、存在しないことを知りなさい。

もし本当に君の人生が、
誰かに縛られているとしたらそれは
君自身が他人≪ひと≫に自分の舵を与えているからなのだ。
つまり、君自身が望んで支配されているのだ。

がその事実を君が意識したときから
君は自分の人生を取り戻せる。

そのことに気づきなさい。