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一人暮らし。

一人暮らしを始めた。
正確には、学生寮。なので部屋にキッチンはなくご飯は食堂で食べる。

ここに来て、思ったこと。もしかしたらあなたも感じたことがあるかもしれないし、それ私かもと思うかもしれない。

*    *   *

お風呂に入れないことが意外とストレスになっていることに驚いた。実家にいた時は、温泉に行きたがる親兄弟の気持ちがさっぱりだったが(学生というのは何かと忙しいし、心の余裕もない)、今ではお風呂に浸かりたくてしょうがない。ついつい、ブラウザを立ち上げ、ついつい近くの銭湯を調べてしまい、気付いたら5百円玉と引き換えにお風呂とサウナを満喫していた。
湯から上がったらコーヒー牛乳でも飲もうかと思ったが、時間とあたりを探す勇気が湧かなかったので、外にある自販機でサイダーを飲んだ。なるほど、悪くない。温まった体を夜風で冷ましながらサイダーを身体に流し込むのはなかなか心地よい。
とはいえ、風呂上りコーヒー牛乳も味わいたいので次はちゃんと買いに行こう。

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都会の住宅の壁は薄い。と、思う田舎者は私くらいだろうか。お隣さんが呑気に歌う声、お友達と談笑する声、賑やかなテレビ。やたらと聞こえてくる。もしや、私の独り言もお隣さんに漏れ聞こえているのではと心配になる始末である。夜風に吹かれて日記でもつけようと窓を開けようものなら、学生たちの声が響き渡っている。間違ってもああいう人様に迷惑をかける人間にはなりたくないと思いながら、窓を閉める。だが換気はしたいし、ああやって今を盛りに人生を楽しむ学生諸君らを憎むようでは男が廃ると思い直し、窓を一寸(ちょっと)だけ開ける。
ジャーンジャーンジャカジャカジャーン。おいおい、次はギターだ。気持ち良さげに弾き語りをしているようだ。もうちょっと上手くできんものかねと思いながら、自分が弾き始めたときのことを思い出す。中学生の頃、教えてくれる人もいないので一人でかき鳴らしていた。と感傷に浸るのを許さんとばかりに雑な音だ。
まあそれも青春かな。

*    *    *

一人で生活するようになって、当然口数も減った。というより、ほんとに話す人がいない。話す相手がいなければ、しゃべりたくても声を出す用すら思いつかない。仕方ないから遠くの友人に連絡してみる。思ったより皆、新しい生活を忙しく、また充実して味わっているようで、わざわざ電話しようなんて寂しい心持になっている人間は少なかった。
私は一人で生きるのは生活面では一向に困らない。むしろ一人の方が色々と捗るし掃除やら洗濯やらきれいにできて良い。にも関わらず、精神面がてんでダメである。心寂しくて消えてしまいそうだ。それは少し言いすぎたが、寂しいと死んでしまうウサギのような気持ちである。あれって本当なのかな。
私は、結構な寂しがり屋だが全然一人で生活できる口なので、割と良いパートナーとなると思う。急になんの話だという感じだが、まあそう思うのだ。あ、いけない、相手もいなければ実績もない。結果報告を楽しみにしておいてもらたい。


まだまだたくさんあるが、今日はここまで。一人暮らし、やったことがないなら3ヶ月でもいいからやってみたらいいと思う。色々なことを思う。3ヶ月すぎたら、自分とも向き合えるし相手に対しても少しは優しくなれるかもしれない。もちろん30年やってもまるで何も得られないかもしれない。それはそれで一人暮らしの奥深いことだ。

鮑叔館 ユウ


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