綾野剛の映画を見るために三泊四日の東京旅行をした、ただの地方勢による沼日記②
4000字越えなので時間がある時に読んでね
第二章〜いざ映画館へ・初日〜
大森駅から電車で約40分、新宿駅だ。
私は初めて降り立った(多分)駅に、若干の好奇心を隠しきれなかった。かの有名な歌舞伎町がある場所だからである。
目的地の109シネマズプレミアムが入っているビル、東急歌舞伎町タワーはゴジラのオブジェが屋上にあるビルのすぐ横にあった。
たくさんのビル群を前に、恥ずかしながら場違いさを感じる。映画館が入るビルの広場らしき場所は、治安があまりよくはなさそうだった。
東急歌舞伎町タワー自体2023年に作られた新しい建物らしく、中も非常におしゃれでエスカレーターを上がってすぐに、ネオン街の如く煌めく酒場が待ち構えている。何もかもが洒落ていた。
109シネマズプレミアムは上映開始一時間前にならないと中に入れないので、ほんの少しだけクレーンゲームで遊ぶ。
気になったコメダ珈琲のチャームは取れなかった。
時間の5分前になり、意気揚々とエスカレーターで9階に上がる。しかし一抹の不安が私の胸をよぎった。ビルの内装が、少々オフィスみが強かったのである。
本当にこのエスカレーターであっているのだろうか、9階についたら映画館じゃなくオフィスが広がっているんじゃないだろうか。そんな不安を胸に抱え、恐々と上って行ったのだが杞憂に終わった。
ちゃんと映画館があった。本当に良かった。
映画館への入り方は、まず9階 or 10階までエスカーレターを上がる。するとすぐ横にカウンターがあり、そこの右側にQRコードを読み取る機械がある。
左側には発券機があった。もちろん記念に紙のチケットを発券した。
もし入場後の館内で待ち合わせをする場合➕紙チケットも欲しい場合は、
オンライン購入時に送られてくる各席のQRコードで、各自入場
中で合流→映画見る
上映後にスタッフさんに声をかけて紙チケット発行
の流れがいいだろう。かくいう私も館内合流上映後発券をした口である。
物理チケットは家に持ち帰って、思い出に耽ることができるのだ。余談だが最近見終わった映画のチケットを、大事に取っておくことを覚えた人間である。
入場口の写真はあいにく撮ってないのだが、中の写真はこちら。
全体の写真でないが、雰囲気だけでも伝わるだろうか。
とってもオシャレ。
館内は全体的にモノクロ調で、シックなデザインだった。ソファもゆったりとした作りで、思う存分坂本龍一さんの書き下ろしBGMに浸ることができる。
・サービス
109シネマズプレミアム新宿では、上映開始一時間前から館内にてポップコーンとドリンクのサービスを受けられる。アルコール以外はおかわり自由だ。
※注文する際はチケットのQRコードを機械にかざす必要がある
ポップコーンは塩とキャラメルどちらも試したが
キャラメルは割と苦めで、比較的満遍なくコーティング有り
塩はちょっと醤油ベース?なのか独特な風味
どちらもとても美味しかった。
おすすめはハーフ&ハーフの両方の味が楽しめるポップコーン。上記の写真がそれにあたる。止まらない美味しさがそこにあった。
カフェラテも本格的な味がして私は好きだった。
それと細かい点にはなるが、ポップコーンに付いてくるお手拭きが分厚めの生地で、布面積が広いタイプのものだったことに感動した。ポップコーンで手が汚れる分、拭ける面が多いとありがたい。
こちらはクラリファイヤー〔ノンアル/¥1,200〕
坂本龍一さんの楽曲をイメージして作られたと知り、せっかくなので頼んでみたのだが、スッキリした爽やかな甘さで非常に飲みやすかった。
ラウンジで飲む場合はグラスで、シアター内に持ち込む場合はカップに入れてくれる。
・6,500円の席で見る「怒り」
上映開始15分前からシアター内に入場可能だが、各場所に設置されたモニターで入場開始のシアターを確認できる。
なんて近未来的。
初日は6,500円のS席にした。
映画代にしては痛い出費だが、せっかくの東京。経験にお金を使おうと思い、奮発した。
それにA席と2,000円しか変わらない上に、何より上映後のラウンジが気になる。
そうして二日で両方の席を堪能するプランが出来上がったのだった。
あいにく座席の写真はないが、S席は両サイドに衝立があり横の人を一切気にすることなく、映画に集中できる作りになっている。
なんならスマホを充電する場所もあり、足元の左下には鞄を収納できる空間まであった。(収納スペースは、A席よりS席の方が広かった)
右横には座席を動かせるボタンが付いていて、自分の好きな位置で映画を楽しむことができる。
映画はめっっっっっちゃったのしかった。
半個室のような高級ソファで見る「怒り」は本当に素晴らしかった。
周りを気にすることなく作品に没入できて、尚且つ坂本龍一さん監修の音響は繊細な音まで綺麗に拾ってくれる気がした。
物語終盤の広瀬すずさんが叫ぶシーンでは、テレビやスマホで聞くよりもダイレクトに胸を揺さぶってくる。ぐっと涙を堪えた。音というのは大事だなと改めて再認識させられた。
また直人の最後の台詞は、耳に録音機能をつけたいくらいに良かった。
大画面で見て、いい音響で聞くあのシーン。直人の願いと切望と悲しさがめいっぱい詰まっていて、ある種宗教画のような神秘さをはらんでいたように感じた。本当に世の不条理さを恨む。これほどまでに幸せになって欲しいと願ったことはない。
そして優馬の泣きのシーン。
こっちまで泣いてしまうから…やめて…
もうエンドロールでは放心状態だ。流れてくるキャスト一覧に綾野剛と妻夫木聡の名前を見つけ、余韻を噛み締める。映画が終わってしまったことへの喪失感がすごかった。
シアター内が明るくなっても、すぐには動けない。
それほどまでに衝撃的な作品だ。
本当はもう少し味わいたかったが、次の上映もあるので席を立つ。まだ明日も見れるのだと思うと、なんとも幸せな気分だった。逸る気持ちを抑え、上映後に使用できるラウンジに移動する。
・プレミアムラウンジ OVERTURE
エスカレーターで10階に上がり、そのまま突き進むとガラス戸の先にラウンジがある。
S席の人だけが使用できる
プレミアムラウンジ OVERTUREだ。
自動ドアを潜ると左側にカウンターがあり、そこにチケットをかざす。私のときは好きな席に座ることができた。
座って一息つくと、スタッフの方がウェルカムドリンクのメニューを持って現れる。
メニューにはなんとアルコール類が含まれているのだ。
びっくりした。なんとなくあるかもな〜くらいだったので、白州や山﨑ワインにスパークリングが頼めるなんて、リッチすぎないか。アルコールはもちろんのこと、ノンアルコールも用意してある。
布巾がいいやつ〜〜〜!
私は赤ワインにした。
白と悩んだものの気分的に赤だったのでそちらをオーダー。
するとどうだろう。
布巾とチョコまで付いてきたではないか。72%のGODIVAのチョコレート。
美味しいやつである。
チョコとワインと少しずつ味わいながら、映画の余韻に浸る。惜しむらくは一緒に語る人がいなかったことだろうか。
良い作品を良い映画館で見る。
贅沢な値段だが、出す価値はあると思った。
二日目
映画「怒り」の最終上映日である4月18日。
前日と変わらず逸る気持ちを抑えながら鑑賞した。二日目はA席で堪能したが、A席もシートの高級感は変わらなかった。
なんならS席の電動リクライニングシートより、A席のリクライニングシートの方が好みだった。
S席のシートは横についているボタンで手動で調整するが、A席は自分の体の重みで勝手に調整してくれる。
難点はちょっと体勢を変えるたびに座席が動いてしまうことくらいだろうか。
鞄を収納できるボックスも左下についているが、これはS席の方が広かった。
A席だと布製のトートバック系や、薄い鞄しか入らないと思う。
A席の値段でもポップコーンやドリンクのサービスは受けられるので、ぜひ早めに映画館に行って楽しんでいただきたい。
・注意点 [109シネマズプレミアム新宿]
109シネマズプレミアム新宿だが、注意するべき点が3つほどある。
1.
まず映画によってフロアが分かれている点だが、109シネマズプレミアム新宿は9階と10階に施設があり、鑑賞する作品によってフロアが分かれている。
これはチケットを購入する際のページにも、購入後のメール及びQRコードにもシアター番号が記載してあるので、公式HPのフロアマップから該当の映画が何階なのか要チェックだ。
2.
A席とS席で値段とサービスが違う点については、この記事を読んでもらったら分かると思うが、座席・鑑賞後のラウンジの有無・値段が違う。
各々の好きな席で見てほしい。S席は一度購入する価値あり。
3.
S席専用のラウンジについての点だが、もしS席を購入された方は忘れずに10階の専用ラウンジを使用してほしい。
もちろん座席も特別感あるソファになっているが、S席の値段には鑑賞後のラウンジ使用料金も含まれている。10階から見る歌舞伎町の街並みや、ウェルカムドリンクを飲みながら余韻に浸ることのできる空間をぜひ。
後編へ
17日・18日は「怒り」を存分に浴び、綾野剛演じる大西直人を余すことなく堪能することができた。
後編ではキネカ大森・秋葉原UDXシアターで観た「花腐し」「そこのみにて光輝く」「最後まで行く」について書いていく。
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