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部活③

脚の痛みはだんだんとひどくなり、もはや駅伝を走るなんて考えられない状態になっていた。

「メンバーから外してもらおう」

僕が途中棄権して他のメンバーに迷惑をかけるわけにはいかない。顧問に諦める意向を伝えようと僕は職員室に向かった。たが、僕の顔を見るなり、いつもは厳しい顧問がめずらしく優しい言葉を掛けてくれた。

「俺はお前に期待している」

嬉しい言葉だが、今は逆に辛い言葉である。「さあ、言うぞ」と息を吸い込んだときに顧問は間髪入れずにこう言った。

「お前の代わりはいないからな」

僕がなんともいえない顔をしていると、顧問は提案した。

「ブラックコーヒーを飲め」

「はい?」

「痛みが和らぐから」

「そんわけないだろ」と思ったが、ものは試しである。僕はブラックコーヒーを飲んで練習に参加することにした。ブラックコーヒーは苦い。良薬は口に苦し。これはもしかしたら、もしかするかもしれない。そして、いざ練習が始まり、奇跡は起きた。

「ぜんぜん変わらねえ、、」

ぜんぜん変わらねえじゃねえか! くそったれ! しかし、顧問は満面の笑みを浮かべて僕の方を見ている。

「たいぶ良くなっただろう」
「、、、ええ」

こうなればヤケクソである。痛みなどないないフリして、駅伝大会の日はやってきた。

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