俺チョコもらってないけど
今年も2月14日が近づいてきた。それであれば私も、あの物語を話さなければならないだろう。取るに足らない話だが、聞いて欲しい。
私は都内で銀行に勤めている。4年ほど前の話だ。3月の中旬だったか、所属していたチームの会議が終わったときのこと、チームリーダーが「ちょっと男だけ残ってもらっていい?」と言い出した。そのときはなぜ男だけ残されたか全然わからなかったが、チームリーダーは切り出した。
「そろそろホワイトデーだけど、あれどうする?N子の件?」
「?」N子は私の2個上くらいの女性行員だが、上司の言葉の意味がよくわからなかった。すると...
「一応もらったんだし、何もしないわけにもいかないですよね。。」
「そうですよね〜誰か代表して買って後で精算しますか」
あれ、あれれ?あれれれれ〜〜〜〜〜〜???
そのあたりから私は何か脇から脂汗が滴るのを感じた。いや汗ではない、もはや脂だ。何か言い様のない不安と焦りが私の脂肪を燃やし脂が滴っているようだ。
どうき,息切れ,気つけに救心だ。というか俺だけ?もらってないの俺だけ??
意味不明なんですけど??
顔が引き攣りながらもそれをバレないように円陣から少し外れたところで無言の私。頼む、どうか誰も私に話を振らないで。
「でも一人ひとりに手書きのメッセージカードはすごいよな〜」
・・・そうなんだ。。俺もらってないけど。そうか!わかった。俺2/14休みだったんだ。と思ってスケジュール確認。いやガッツリ出社してるね。
するととうとう「お前なんてメッセージ書いてあった?」と先輩
どう返答するべきか、だが嘘をつけるほど器用じゃない私。。ついに...
「いや私、もらってないすよね。。」
その瞬間スタープラチナ・ザ・ワールド発動。時が止まった。みんなの顔が止まった〜〜〜!!!こんま何秒だが、確かにあの瞬間、世界は止まっていた。
結局もらってないのは私だけ。何か因縁があったのだろうか。後々漏れ聞いてくる風の噂から、貰えなかったことは偶然じゃないことはわかった。(更に傷つく俺)
これが俺の物語。バレンタインデー誰が作ったんだ?恨むぜ
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