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[ベトナム考察] すぐ迷子になるベトナム人

どうでもいい話だけれど、最近、髪を伸ばしている。理由は「外国人扱い」してもらうためだ。

日本人とベトナム人の顔は、同じではないけれど、極めて似ていると思う。ベトナムは東南アジアの国だけれど、タイやフィリピンのように浅黒い人は少ない。顔もいわゆる「東南アジア人」と聞いて思い浮かべるような、鼻が潰れた二重瞼のワンパターンではなくて、鼻筋の通った人もいるし、一重瞼の人もいる。

歴史的に中国との繋がりが強いせいか、僕の勝手な解釈では、いわゆる「東南アジア的な顔」と中国や日本のような「東アジア的な顔」をミックスした感じがベトナム人の顔だと思う。(わかりにくくてすみません...)

ベトナムの床屋へ行くと、男性に選択肢はほぼないといっていい。100パーセントの確率でサイドとバックを刈り上げる。トップの毛量が多ければクリスティアーノ・ロナウドみたいになるし、短ければスラムダンクの赤木キャプテンみたいになる。基本はこの2パターンだ。

僕は床屋もローカルだったので、数ヶ月前まで、ずっとロナウドだった。だから、スーパーに行ってもレストランに行っても、店員にベトナム人に間違えられて、一方的にバーっとベトナム語を話されることが多く、しまりのない笑顔を浮かべてニヤニヤしている僕を見て、店員はやがて僕がベトナム人じゃないことに気付く。

「そんな髪型してるくせにベトナム人じゃないのか」その度に、落胆と驚きの入り混じった表情をさせるのが申し訳なくて、どうすれば良いのかと思案した結果、髪を伸ばそうと決意した次第だ。

伸びかけの気持ち悪い時期を過ぎて、なんとか頭の上でお団子を作れるようになった僕の髪を見て、ベトナム人だと思う人はおそらくいない。スーパーやレストランでも「Thank you」と外国人扱いを受けられるまでになった。とても快適だ。

だけれど、一つだけ例外的な場面がある。それは、バイクに乗っている時。基本的に知り合いでもなければ、むやみやたらに話しかけないベトナム人だけれど、道に迷っている時だけは事情が違うらしい。

今やほとんどの人がスマホを持ち、googlemapも使いこなしているベトナムだけれど、この時だけは、どういうわけか直接、人に聞きたがる。しかも、やけにアグレッシブに。そもそもgooglemapがあれば、迷うこともないはずなんだけれど...

この現象がよく起きるのは、きまって信号待ちの時だ。ヘルメットを被っているから髪型はわかないので、まるで知り合いかのように、自然な感じで聞いてくる。なので、最初に道を聞かれた時は、頭の中で「ん?この人誰だっけ?」と考え込んでしまった。

これは、ベトナム人の特徴の一つだと思う。

「道を聞いている」ということはわかるのだけど、僕のベトナム語レベルで理解できるのはそこまでだ。とりあえず「わからない」と答えると、「なんだ、外国人か」というような顔をして諦めてくれる。と、また別の人に同じように道を聞き始める。

普段は、寡黙とまではいかなくても、明らかに「知り合い」と「他人」を区別しているように見えるベトナム人の、心理的ブロックが外れる瞬間を味わいたければ、ぜひともバイクでの信号待ちをオススメする。運が良ければ、バイクに乗らなくても、歩道で信号待ちをしている時に、バイクに乗ったベトナム人から道を聞かれることもある。

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