『今夜世界からこの恋が消えても』

映画館で、『今夜世界からこの恋が消えても』を観てきました。

主演は道枝駿佑さん、そして福本莉子さんです。

すごく透明感のある2人で、見ていてとても爽やかな気持ちになりました。




福本莉子さん演じるマオリは、事故で記憶障害になってしまい、眠ると記憶を失ってしまうようになりました。
眠ってしまうと、周りにいる人が誰だかわからなくなってしまったり、全ての出来事を忘れてしまうので、毎晩日記をつけて眠り、毎朝日記を読んでから１日をスタートさせるという日常生活でした。


マオリの1日はいつも絶望からスタートします。


しかし、周りのことを覚えていないこと、周りの人に迷惑をかけていることへの絶望感を抱えながらも、笑顔で日常を過ごしていました。

そんな毎日なので、恋愛はおろか、日常生活をするのも精一杯だったのです。


そんな中、家族以外で唯一マオリの事情を知っている泉(古川琴音さん)は、いつも献身的にサポートしていました。
マオリは、泉の優しさと強さにいつも助けられていました。


そして、透(道枝駿佑さん)との出会いがきっかけで、彼女の日常が少しずつ変化していきます。





とにかく登場人物全ての人が優しさに溢れていました。事故で記憶を失った事と向き合い、前向きに生きていこうとするマオリはもちろん、献身的にサポートする家族、泉、そしてそんな、彼女の毎日を楽しいことで埋めたいと努力する透の優しさは、見ている人の心を温めてくれます。


そして、その優しさがゆえに、マオリにとっての大切な記憶をめぐって衝突する場面もありました。この場面を見た時は、本当に本当に涙が止まりませんでした。





特に古川琴音さんの演技が素晴らしかったです。彼女の行動がマオリにとって本当に良いことなのか…もがきながらも、自分を納得させて必死にマオリを守る姿は、本当にかっこよかったです。

そして、透の姉役の松本ほのかさんの演技も魅力的でした。松本さんは強くてたくましい女性を演じたのは初めてだとおっしゃっていましたが、ご本人の性格と同じなのではないかと思うぐらい違和感のない演技でした。家族を優しく包み込む包容力と、自分のやりたいことを貫き通す意志の強さが本当にかっこよかったです。





大切な人、特別な人を忘れたくないのに、忘れてしまう不安を抱えたマオリの涙を見たときは、やるせない気持ちになりました。

記憶を失いたくないというマオリの気持ちを想像しただけで、心が苦しくなりました。



私もできるだけ、周りに優しい気持ちを持って接していきたいし、そんな優しい世界の中で生きていたいと思いました。

セカコイ、最高でした。

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