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11013の手紙に寄せて

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11013でなければならない理由も、ないのだけれど。
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2018年8月の記事一覧

鏡の「A」

鏡の「A」

自分をおびやかす「A」がある

自分の安全をおびやかす、あるいは自分にとって都合の悪い存在(仮にAとします)があったとします。自分が強くなって、Aに安全をおびやかされたり、自分の都合を悪くされないようになれば、それでいいでしょう。でもそうでない場合は、いつAと遭遇するか、した場合はどうしようかとびくびくして過ごすことになるかもしれません。

知識、洞察、観察は「力」

Aじゃないかもしれない、だ

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決めない覚悟  〜「機会」から「場」へ〜

決めない覚悟 〜「機会」から「場」へ〜

場という概念には、なにが含まれるでしょうか。言い古されているかもしれませんが、ざっくり言ってしまえば、モノ、コト、ヒト、でしょうか。

「子ども食堂」に現れた女の子

昨日、「子ども食堂」に参加してきました。(「子ども食堂」とは、子どもたちに、遊んだり、勉強したり、食べたり、話をしたりする場をセッティングする取り組みである、とでも言っておきます)そこにやってきた一人の女の子と、僕は話をしま

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こころのようなもの

こころのようなもの

背景も変わるし、自分も変わる

背景は刻々と変わるから、昨日とおなじものをはめ込もうとしても、今日はまた全然違った絵になるということを最近思いました。そして、はめ込もうとする主体がヒト(自分)だとしたら、その主体もまた、昨日とおなじではありません。背景になじむ主体、ミスマッチな主体、映える主体、他の主体のための余白を残す主体と、いろいろです。なにが主体でなにが背景か、判別のままならない絵もあること

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今日のやりかた

今日のやりかた

空を横切る、鳥を見た

空を横切る、鳥を見ました。たいへん高いところを飛んでいました。僕はそれを、5階から見たのです。そこからの僕の目線よりも、高いところを飛んでいました。高さ何メートルなのかはわからないけれど、小さなからだであの高さまで上がるのは結構大変だったのではないでしょうか。3羽の鳥が、まっすぐに視界を横切っていきました。生身の人間が、障害物の多い地上を走って追いつくのは難しいであろう

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凡億のヒーロー

凡億のヒーロー

テレビというメディアが「時代のヒーロー」的な存在をつくるきっかけになっていた時代があったと思います。ネットが普及して、そうしたヒーローが生まれなくなったような気します。もちろんその「場」がネット上に移って以降に生まれた「ヒーロー」もいるかもしれませんが、意見がばらけるでしょう。特定の年代やコミュニティの間のみにおいては推定ヒーロー! みたいな存在が、数多いるのではないかと思います。「場」の主流が

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熱情の傍観者

熱情の傍観者

「なぜ、あの子の初めての相手は自分じゃないのだろう」これは、思春期の頃によく悩んだことでした。自分の想いびとに、自分より先に他の相手がいたことが許せなかったのです。悩んでも変えられないことであり、どうしようもないことで苦悶していました。悔しくて仕方なくて、学校の近くの公園の、植え込みと通路を隔てるロープを支える杭を引っこ抜こうとしたこともありました。いやぁ、恥ずかしい……。

「人間はなぜ八本

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犬のいる生活

犬のいる生活

今日も、どこかで、あたらしい家族を迎えようとする人がいます。

犬のいる不自由というのは、そんなに良いものなのですね。犬のいない自由に特別執着しているわけでもないわたしです。きっと、犬のいない自由も、犬のいる不自由も、優劣はないのでしょうね。それならば、あたらしい仲間といろんな思いを共にした方が、たのしいに決まっている! ……とお考えになったかどうかは知りませんが、仲間のいるほうを選んだのが

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〈Live〉Kさんと僕の6時22分

〈Live〉Kさんと僕の6時22分

どぶんと海に飛び込めば、360°どこを向いてもいいわけです。

さまざまなメディアがあるおかげで、ときに、カメラが向けられたものだけを見ていることを忘れて、その生きた様〈ライブ〉を知った気になる……そんなことがあるように思います。切り取られた端々を何倍しても何乗しても足りないくらいの〈ライブ〉が、いえ、〈ライフ〉が、現場にはひしめいているわけですね。

自分の〈ライフ〉さえも、ときに記号化

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雨と散歩と、趣味と職業

雨と散歩と、趣味と職業

毎日、朝にこの文章を書いています。家の外の公園を眺めながらそれをしているのですが、犬の散歩をする人をよく見ます。見たことのある顔ぶれが、毎朝通るのです。

たとえ飼い主が「今日は眠くてつらい」「行きたくない」などと思うことがあっても、犬のために必ず行くんだろうなぁと想像します。僕は、犬を飼ったことがありません。

犬のほうの気持ちはどうなんでしょうかね。向こうにだってそのときによってコンデ

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Stock & Release

Stock & Release

スマートフォンのメモアプリに、気付いたことや考えたことを書き溜めています。以前までだったら、ツイッターなどですぐにつぶやいてしまっていたようなことも、いったんメモに保管するようにしました。この取り組みを始めてみたら、必然的にツイートの頻度は下がりました。

思ったことを思ったときに、思ったままに発信するということは、それだけ思考に編集をほどこさずに外に出す、ということにつながります。もちろんそ

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ありがとう、夏の空。

ありがとう、夏の空。

・空の低さのこと
夏は雲の季節だと思いました。いろんな形、色をした雲が混沌とひとつの空にひしめいています。秋の空は「高い」と表現したくなりますが、夏の空は「近い」です。いつもは遠いものとも話ができる気がするのは、そのせいかもしれません。

・ツノの曲がったカブトムシ
子どもの頃、甲虫類が好きでした。主に、カブトムシやクワガタやカナブンです。幼虫から飼育して、成虫になっていったものもあり

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「考えどき」の収集家

「考えどき」の収集家

よく本を読みます。いろんな人が「考えたこと」がいろんな風に書かれていて、おもしろいのです。

自分に「考え」なんてものがあるのかといったら、よくわかりません。自分の話すことや書くことなんでもかんでも、本で読んだりネットで見たりしたことのツギハギだらけな気もします。

もともとの「僕」は、すっからかんで、なまけもので、平凡でつまらないもののように思えて、そんな自分のままでいることを拒むために

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おばけはこわい

おばけはこわい

おそらく「右翼」と呼ばれるであろう人たちが走らせる黒い車が、爆音で「君が代」をかけながら街道の列の中にいたのが見えました。通勤途中だった僕は、視界の端っこにかれらを認めながら、そのまま街道とわかれて職場に向かう道を行きました。

職場に着いて、「きょう、終戦記念日ですね。爆音で〈君が代〉流してる車、見ました」といったことを同僚に話しました。「ああいう人たちって、なにが望みなんだろうね?」といっ

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「雑」誌について

「雑」誌について

おおかれすくなかれ、さもネットの世界がこの世のすべてかのように幻惑される瞬間が、誰しもにあるのではないかと思います。一方で、ネットは手段(媒体)のひとつであり、それに頼らない生き方はいくらでもあるでしょう。無理に排除しようとすると生きづらいかもしれません。てきとうに付き合って、てきとうに利用して、てきとうに利用されるくらいの塩梅で納得して生きているのがわたしです。そういう人は、案外多いのではないで

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