ばんどう通信R5年07月号

こんにちは、坂東です。びっくりするほどの猛暑と言われてますが基本厨房に篭りっきりなためあんまり実感せずに日々過ごしております。(乾物などの食材保護のためお店は24時間エアコンつけっぱなので出勤したときに暑い、とかも特にない)
夏休みシーズン突入で来月はお盆、となりますがばんどうは特に長期休みの予定もなく、平月通りの不定休にての営業しております。お盆あたりもやってますが空席全然ありますのでよければお問合せくださいませ。


骨抜き鱧

今年も7月からスタートした骨抜きはも。豊浜の極上特大品を骨を1本1本丁寧に抜いて仕上げます。多分10月くらいまで続けますのでよければご賞味くださいませ。7〜8月の鱧と9〜10月の鱧は身質が大きく変わり別物となりますのでそれぞれ楽しんでいただくとより一層「鱧ってこんな味だったのか」と実感していただけるかと・・・・。あまり知られていない鱧のポテンシャル、扱っていて楽しい食材の一つですね。

骨を抜いた後の鱧の身
Yの字になってる鱧の骨

骨抜き動画が

そういえば昨年撮っていた鱧の骨抜き動画を公開したところ人生初のバズを体験しまして・・・。なかなか興味深い現象でした。


インスタリールが投稿直後から22万再生、同じ動画をアップしたYouTubeショートは投稿後2ヶ月くらいはずっと低再生のまま、ここ数日になって急に伸び始め5日間くらい?で2.2万再生され始めてまだ回り続けてます。

同じ動画でもプラットフォームのアルゴリズム違いでこんな差が出るのか、と。
高再生数を狙って動画撮ってるわけではないんですがなかなか面白い体験でした。
「思い出したとき」くらいのペースで動画上げてますが良ければご覧ください(笑

ばんどう'sショート しばらくお休みを・・・

事前ご予約制でお伺いしておりましたばんどう'sショート、最上級の季節のフルーツだけを使い、これでもかとたっぷり挟み込んだ「フルーツが美味しい」と大変多くの方からご好評をいただいておりましたが、パティシエの妻が産休に入るためしばらくお休みさせていただきます。一応本人は希望としては「クリスマスケーキはなんとか復帰したい」とは言っておりますが体調次第なのでなんとも・・・。

これは私の個人的な誕生日に妻が作ってくれたマンゴーメロン桃のミックスケーキ


今年のクリスマスケーキに関しては10月入ったあたりでどうするか決めてお知らせいたします。通常のショートケーキは今年いっぱいはお休みです。
どうぞよろしくお願いいたいします。

T3と砥石

そういえば書くと言って書いてなかったので新鋼材の包丁の話を。その前振りはこちらから。

料理における包丁の役割とは「切断する」だけではなく「切断する際に食材に触れた鋼材によって味を引き出す」面もあります。その点で言うと「切れ味」が良いのは断然錆びる鋼系の包丁。ステンレス系のクロムが入った錆びない包丁はどんなに研いで切断力をギンギンに引き出したとしてもどうしても食味が落ちるというか香がマスキングされる感覚があります。

T3の和牛刀・砥石・鰹節削り


その中で、月山義高刃物店の店主・藤原さんが新たに作ったT3の包丁。ステンレス系で錆びない材質にも関わらず、味が良い。切った感触も「え?これほんとにステンなの??」と言う感じのスッパリした鋼のような手応え。
調理工程の全てを私一人で行っているようなスタイルの店では営業中は鋼の包丁のメンテナンス=切るたびに水拭きして乾拭きするは結構負担が大きく、「ここぞ」という渾身の一太刀が求められる調理に関しテャ今も鋼を使っていますが常用するにはなかなか忙しい。そんな悩みをまるっと解決してくれる包丁でした。激薄の仕立てになっているので硬いものやねじれに弱く、欠けには気をつけなければいけませんがまあそれは他の包丁も同じ。すっかり愛用となりました。

砥石

「切ることで味が変わる」となると重要なのは包丁だけではありません。「切断する能力」も切ることで生まれる「味」も包丁の性能によるものはおそらく20〜30%くらい。どちらかというと「研ぎ」の技術と「砥石」による影響の方が大きいのです。
私は今まで、品質が圧倒的に安定していて研ぎやすく調整されている人造砥石を使っていましたが今回初めて天然砥石を購入。超仕上げ用の極々硬い石なので「え?ほんとにこれ研げてるの??」くらいの研ぎ味ですが最後の最後をこれで仕上げてあげると確かに食材の甘みが一段引き立つ気がします。
とはいえ、天然はやっぱり「採掘した石」なので理想的な「研磨のための粒子配列」になっているとは限りません。当然個体差もあります。なので石の採掘量が減ってきているのもあり人造砥石が主流になっているのですが、従来使っていた砥石に加え月山さんのオリジナル開発の砥石も購入してみました。
いわく「多くの市販品は研磨剤以外の、研磨剤を結着するための結着剤の粒子が意外と大きく、研磨に影響を及ぼす」のと「結着剤が水で溶けるので、最も摩擦が少なく温度が上がりにくい(ので刃に優しい)流水研ぎができない」のが欠点なのだとか。それを克服した砥石を開発した、とのことで使い始めています。
まだ使い慣れていないのですが・・・。(包丁を研ぐときは、砥石によって研いだ面の光り具合が異なるので、それを見ながら「ここは砥石が当たってるな、ここは当たってないってことは別の場所のここが歪んでるかも」と研ぎ方を修正していくのですが新しい砥石の光り方のクセがまだよくわかっていないので研げてるのか研げてないのかの判断が前の使いなれた砥石よりも正確にできない)

1億5千万円の食材

地球上でグラム単価が高いものランキング、と言うものがあります。
ぶっちぎりの1位は反物質で1gあたり636兆円。
高価なことで皆さんご存知のダイヤモンドは4位で1g600万。
8位プルトニウム44万、9位LSD33万。

その次の10位に食い込んでくるのが今回ご縁があって出会った食材。
「世界最高ランクのサフラン」

サフラン2g


その中でもさらに最高ランクの極上品は1gあたり15万、食材で一般的な単位のキロあたり単価に直すとなんと1億5千万(笑
高級食材の代名詞=白トリュフどころか白トリュフより10倍高い純金の、更にその15倍くらいします(笑
試食で1本そのままかじりついてみましたが香りの繊細さとキックの長さが尋常じゃない....

めっちゃ高いんですが「感動するレベルの食材」であることには違いないと思うので8月中くらいに試作を繰り返して9月くらいから献立に入れていけたらと思っております。

おせち

なんだかんだ、またおせちのことを考え始めないといけない季節になって参りました(笑)毎年夏くらいから計画を初めて行かないと間に合わないんですね。
食材原価がこの1〜2年でめちゃくちゃ高騰しているので頭が痛いところではありますが個人的にはおせちは「普段お世話になっているお客様への年に一度の恩返し」みたいなところあると思っているのであんまり大きな価格改定はせずにご案内したい、と思っております。
8月末か9月末あたりの通信からご案内を始めようと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
(最近うちの妻が100回くらい「ねえねえ知ってる?」くらいのテンションで話してくるのですが僕らが高校生だった18年くらい前はケンタッキーのビスケット、1個100円だったのが今280円くらいするんですよね。本当に物価高くなりましたね・・・。)

終わりに

いつものごとくちょろっと食材の写真載せてまた終わりとさせていただきます。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

坂東

裏メニューの究極ねこまんま、お声がけください
鯵と鰯
塩水ウニ
小鯛
白甘鯛
栄螺
潤菜
ざっくり炊いた蛸
自家ブレンドの七味唐辛子。この後ラー油に加工します。
鮎の焼き物

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